大型国有企業の株式公開作業進む

(ウズベキスタン)

タシケント発

2022年08月24日

ウズベキスタン政府は815日、国有企業21社の株式の一次および二次公募の時期を承認する閣僚会議決定を採択した(2022815日付閣僚会議決定第446号)。対象となる企業にはウズベクネフテガス(石油・天然ガス)、ウズベキスタン冶金(やきん)コンビナート(鉄鋼)、ウズトランスガス(天然ガス輸送)、ウズオート・モータース(自動車生産)、ウズアフトサノアト(自動車産業の国有資産管理)、ウズベキスタン航空(航空輸送)、ウズベキスタン鉄道コンテナ(コンテナ鉄道輸送)、ウズベキスタン郵便(郵便事業)のほか、銀行や保険会社などが含まれている(添付資料表参照)。

20223月に開催された「第1回タシケント国際投資フォーラム」で、シャフカト・ミルジヨエフ大統領は「国営企業の民営化はウズベキスタンで今行われている最も重要なプロセスの1つ」と述べており、同年128日に採択された「20222026年における新ウズベキスタン開発戦略」では、民営化を通じ、国のGDPに占める民間企業の割合を80%まで引き上げるとの政府目標が記載されている。

開発戦略によると、今後5年間でウズベキスタンの株式市場の売買高を35倍の70億ドルに増加させる予定だ。オンラインメディア「KUN.UZ」(817日)によると、今までウズベキスタンの証券取引所で行われた株式の新規公開(IPO)は2件のみ(注)だが、現在、国際金融機関やコンサルティング会社が関与して大型国有企業の株式公開プロセスが進んでいる。また、ウズベキスタン証券取引所「タシケント」は815日、欧米の投資銀行での勤務経験を持ち、2014年からジョージア証券取引所の所長を務めていたジョージ・パレシシビリ氏を取締役会長に任命する人事を発表するなど、証券市場活性化に向けた周辺環境整備も進んでいる。

(注)2017年にクワルツ(ガラス製品製造)、2019年にジザク・プラスチック(プラスチック製品製造)のIPOが実施されている。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン)

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