2023年上半期までの米景気後退を72%が予測、全米企業エコノミスト協会調査

(米国)

米州課

2022年08月30日

米国中間選挙が11月に迫る中、有権者の主要な関心テーマである経済分野において、バイデン政権はインフレ対策に注力している。この状況下で、全米企業エコノミスト協会(NABE)は822日、同協会に所属する会員198人を対象に819日に実施した、米国の経済政策に関する調査の結果を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

この調査結果によると、連邦政府の財政政策について、51%が「刺激的すぎる(too stimulative)」、44%が「ちょうどよい(about right)」と回答した。3月に行われた前回調査では、それぞれ50%と44%だったため、財政政策に対する見方はさほど変化していないことが分かる。他方、金融政策に関しては、「刺激的すぎる」が前回から33ポイント減の44%、「ちょうどよい」が24ポイント増の46%となった。連邦準備制度理事会(FRB)は20223月以降、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を引き上げ続けており、7月には2.252.5%にすることを決定した(2022年7月28記事参照)。依然として、現在の金融政策は「刺激的すぎる」とみる割合が「ちょうどよい」とみる割合と同程度存在するものの、NABE会員からみて望ましい政策に向かっている様子がうかがえる。

また、「米国において次の景気後退が始まるのはいつ頃か」との問いについて、「すでに景気後退に陥っている」が19%、「2022年第3四半期」は9%、「2022年第4四半期」は16%、「2023年第1四半期」は22%、「2023年第2四半期」は6%だった。すわなち、米国の景気は2023年上半期までに後退し始めると予測している割合は72%に達した。

そのほか、米国の内政について、連邦最低賃金の引き上げを51%が支持し、42%が反対している。「中間選挙で議論されるべき最も重要な3つの政策課題は何だと思うか」との問いには、インフレ対策が48%で、気候変動(38%)や移民問題(27%)が続いた。

(片岡一生)

(米国)

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