バイデン米大統領、サル痘対策チームを発表、ニューヨーク州・市は緊急事態宣言

(米国)

ニューヨーク発

2022年08月03日

米国疾病予防管理センター(CDC)は82日、米国のサル痘感染者数の統計ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、国内の感染者数を6,326人に更新した。これまでに、モンタナ州とワイオミング州を除く全ての州で感染者が確認されている。こうした状況を受けて、ジョー・バイデン大統領は82日、政権のサル痘対策チームを率いる調整官と副調整官に、ロバート・フェントン氏とデメトレ・ダスカラキス氏を充てると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。前者は連邦緊急事態管理庁(FEMA)の長官代行を務めた経験があり、後者はCDCHIV感染予防の責任者を現在務めている。

サル痘感染状況に関して、州別ではニューヨーク州が最も多く、キャシー・ホークル同州知事は729日、サル痘拡大迅速に対応するため緊急事態宣言を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。同州保健局は同局のサル痘特設ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、82日までに1,617人の感染が確認されたとしている。州内で感染者はニューヨーク市内に集中しており、同市保健局のサル痘特設ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、同日までに1,512人の感染が確認されたと発表。726日から7日間で420人の増加となった(2022年7月28日記事参照)。エリック・アダムス同市長も81日、緊急事態宣言を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。市内の感染者数が全米の4分の1を占めていることを指摘し、緊急事態宣言は現在の対応策を強化し、政府全体で対応していくことを保証するものだとした。

保健福祉省(HHS)は728日、サル痘ワクチン「JYNNEOS」78万6,000回分を追加で確保し、各州・地域は29日から同省を通して発注できると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、州や地域への供給量は高リスク者と新規感染者の数に応じるとしていた。米国のサル痘ワクチン供給量は、これまで供給した34万回分と合わせると、約110万回分になるとしている。HHSは今回の追加供給分に関して、食品医薬品局(FDA)が727日、「JYNNEOS」を生産するデンマークの製薬会社ババリアン・ノルディックの充填(じゅうてん)仕上げ工場の生産能力を迅速に審査して承認したため、計画を強化して供給を速やかに進めることができたとしている。

ホークル知事は728日、ニューヨーク州では連邦政府の今回の追加供給分から11万回分を確保したとし、供給はこれで合計17万回分になると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の11万回分のうち約8万回分がニューヨーク市、3万回分がそれ以外の地域に振り分けられるとしている。

(吉田奈津絵)

(米国)

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