カスティージョ大統領が外相、経済財政相を含む6閣僚の交代発表

(ペルー)

リマ発

2022年08月12日

ペルーのペドロ・カスティージョ大統領は85日、内閣改造を行い、ミゲル・アンヘル・ロドリゲス・マッカイ外相、クルツ・ジョニー・ブルネオ・ファルファン経済財政相、ヘイネル・アルバラード・ロペス運輸通信相など主要ポストを含む閣僚6人の任命宣誓式を行った。カスティージョ政権下で外相は4人目、経済財務相は3人目だ。

任命の2日前に辞表を提出したアニーバル・トーレス首相についても、カスティージョ大統領は自身のツイッターで、辞表を認めずトーレス首相が引き続き国のために尽力することを約束したと発表した(全閣僚情報は別添資料参照)。

トーレス首相の辞意表明がうわさされる中、ロドリゲス新外相の任命に伴い、マヌエル・ロドリゲス・クアドロス国連大使とハロルド・フォーサイト米州機構(OAS)大使(元在京ペルー大使)はそれぞれ、通常プロトコールどおりの外務省経由でなく、カスティージョ大統領に直接辞表を提出した。マスコミ各社はロドリゲス外相任命に対する抗議行動として捉えており、その背景としてクアドロス大使は同外相とエスカス協定(注)で対立する立場にあることや、フォーサイト大使は10月にリマ市で予定されているOAS総会直前の外相交代への異議を自身のツイッターで発言していることなどがあるとみられる。また、ロペス運輸通信相については、カスティージョ大統領が関わっているとされる地方住宅計画競争入札の汚職事件で、当時の住宅建設衛生相として同汚職を主導したと検察当局は見ており、議会の反発は必然と思われる。

一方、議会でも先に任命された新会期の幹部(2022年7月27日記事参照)のうち、第3副議長に選出されたウイルマル・エレーラ・ガルシア議員が811日、2012年の北部ピウラ州での上下水道拡張工事に関わる共謀罪で禁錮6年の判決を受けており、ペルー政治は混迷を極めている。

(注)中南米とカリブ地域における環境分野の情報入手・決定参加・司法利用に関する協定。24カ国が署名し、13カ国が批准済み(ペルーは批准していない)。クアドロス大使は批准派、マッカイ外相は批准反対派で知られている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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