ペルー議会、新会期の議長と副議長に中道派や右派の議員を選出

(ペルー)

リマ発

2022年07月27日

ペルー議会は726日、議会規則第12条に基づき20222023年会期の議長、副議長の選出を行った。新議長には中道派のアリアンサ・パラ・エル・プログレッソ(進化のための同盟:APP)党議員で前会期の第1副議長を務めたレイディ・カモネス・ソリアーノ議員、第1副議長に右派のフエルサ・ポプラール(人民勢力:FP)党のマルタ・ルペ・モジャーノ・デルガード議員、第2副議長にポデモス・ペルー(できるぞペルー:PP)党のディグナ・カージェ・ロバトン議員、第3副議長にソモス・ペルー(われわれはペルー:SP)党のウィルマル・エレーラ・ガルシア議員が選出された(注1)。選出(注2)はまず4つの候補者リストにより行われ、カモネス議長を含む第1リストは2回目の投票で73票を獲得し、同じく2回目投票に進んだ第3リスト(注3)の52票を上回った(白票が4票)。

カモネス新議長は、就任宣誓後の演説で、国民の議会への信頼回復に尽力することを約束した(注4)。その上で、逃亡中だった、政府内の汚職疑惑についての情報を持つとされている元大統領府秘書官のブルーノ・パチェコ氏が自首したことを受け、ペドロ・カスティージョ大統領周辺の数々の疑惑の早期解明と汚職撲滅への強い決意を述べた。さらに、優先課題として「鉱産物や農産品の輸出、観光分野支援による経済再活性化」「雇用拡大」「治安対策」を挙げ、経済界との積極的な話し合いを強調した。

(注1PP党やSP党は右派または中道右派とされていたが、最近では大衆迎合政策に傾倒する場面も多いことから中道左派として評価されている。

(注2)選出は、1回目投票(130の全議席数または出席議員数の過半数を得たリストが勝利)で決まらなかった場合に2回目投票(1回目投票の上位2リストで競い、より多くの票を得た方が勝利する)。

(注3)現在は右派のレノバシオン・ポプラール(人民一新:RP)党所属だが、急進左派のペルー・リブレ(ペルー自由:PL)党と連携したことでRP党から離党を求められているエスドラス・メディナ・ミナヤ党首などを議長候補に掲げた。第3リストのその他の候補は、PL党、中道派アクシオン・ポプラール(人民行動:AP)党、左派ブロケ・マヒステリアル・コンセルタシオン・ナシオナル(教員団体国家連合:BMCN)党所属の議員だった。

(注4)民間調査機関IPSOS20227月に実施したアンケート調査によると、議会支持率は14%、マリア・デル・カルメン・アルバ前議長支持率は16%にまで落ちていた。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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