4~6月期の製造業生産額が四半期ベースで過去最高に

(台湾)

中国北アジア課

2022年08月25日

台湾の経済部は819日、2022年第2四半期(4~6月期)の製造業生産額外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが前年同期比13.6%増の45,126億台湾元(約207,580億円、1台湾元=約4.6円)だったと発表した。経済部によると、第2四半期の生産額は、四半期ベースとしては過去最高で、2020年第4四半期以降、7期連続プラスの伸びとなった。

業種別では、生産額の35.3%を占める情報電子産業が、前年同期比16.3%増の15,913億台湾元だった。中でも、電子部品が16.4%増の13,351億台湾元で、四半期ベースで過去最高額を更新した。さらに細目をみると、電子部品のうち集積回路は、旺盛な需要と生産能力の増強により、40.9%増の6,912億台湾元と大幅増になった。

化学原材料業、卑金属業、石油および石炭製品業は、国際的な原材料価格高騰の影響を受け、それぞれ生産額が前年同期比で7.3%、12.0%、73.3%増加した。機械設備業は、半導体企業の工場拡張や自動化設備の発注が堅調だったが、木工機械や家庭用ミシンの減産により、5.9%増と伸び率が縮小した。自動車および部品業は、中国の封鎖管理による部品不足や工場の操業停止、新型コロナウイルス感染拡大による需要減を受け、5.8%減となった。

今後の見通しについて、経済部は、各国の水際対策緩和と経済・貿易活動の活性化、高性能演算や物流ネットワーク、車用電子部品などの関連アプリケーションに対する旺盛な需要が、生産拡大を後押しするとの見解を示した。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻が膠着(こうちゃく)状態であることや世界的なインフレ圧力の高まり、金融引き締め政策の継続などが、世界的な経済成長を下押しし、台湾の産業に在庫調整圧力をかける可能性があるとも指摘した。

なお、台湾の経済成長については、行政院主計総処が812日、2022年第2四半期の実質GDP成長率を前年同期比3.05上半期は3.4外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した(いずれも速報ベース、添付資料「図1 台湾の実質GDP成長率の推移(四半期別)」「図2 台湾の実質GDP成長率の推移(年別)」参照)。下半期の経済成長率は、第3四半期と第4四半期がそれぞれ4.7%と3.5%、2022年通年は5月時点の予測から0.15ポイント下方修正し、3.76%としている。

(柏瀬あすか)

(台湾)

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