政策金利を7カ月連続で引き上げ、60%に
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2022年08月09日
アルゼンチン中央銀行は7月28日、政策金利〔28日物中央銀行債(Leliq)の利率〕を8ポイント引き上げて60%とした。引き上げは7カ月連続(添付資料図参照)。
中銀は今回の引き上げについて従来と同様に、新型コロナウイルス禍で例外的だった金融政策の正常化の一環と述べた。また、その速度を加速する必要があり、実質金利をプラスにすることでインフレ抑制に貢献するとした。しかし、国家統計センサス局が7月14日に発表した6月のインフレ率は前月比5.3%、前年同月比64.0%と高止まりしており、金利の引き上げが物価上昇に追いつかない状態が続いている。
アルゼンチンのインフレには複合的な要因があると考えられているが、その1つに中銀による財政ファイナンスに起因する通貨供給量の増大がある。2022年3月のIMFとの債務再編で合意した際には、財政ファイナンスを段階的に縮小することを約束したが、3月以降も通貨供給量は増えている。政策金利引き上げに際して中銀はこの問題に言及し、これを縮小する金融戦略について経済省と合意したとしている。
7月のインフレ率はさらに高まる見通しで、政策金利の引き上げは続くとみられる。
(西澤裕介)
(アルゼンチン)
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