山東省、「ゼロ廃棄物都市」建設を全面開始

(中国)

青島発

2022年08月22日

中国・山東省政府は8月2日の記者会見で、7月14日に発表した「山東省『ゼロ廃棄物都市』建設業務方案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、方案)および同省の廃棄物ゼロに向けた取り組みの状況について説明した。同省によると、全国で初めて省レベルで「ゼロ廃棄物都市」建設に向けての実施方針を示したとしている。工業固体廃棄物、主要農業廃棄物、生活ごみ、建設ごみ、危険ごみの5種類の固体廃棄物を対象とし、2025年までの「ゼロ廃棄物都市」建設に当たり7分野の主要課題などを示している。

山東省生態環境庁の管言明副庁長は「ゼロ廃棄物の理念は、固体廃棄物の排出をなくすことでもなく、固体廃棄物を完全に資源化利用することでもない。グリーンな発展方式と生活方式の推進を通じて、固体廃棄物の根本的な削減と資源化利用を継続的に推進し、埋め立て量を最大限に減少させ、固体廃棄物の環境への影響を最小限にすることだ」と説明した。

方案で示した主要課題は、(1)全体設計の強化、(2)工業のグリーン発展の実現、(3)グリーン農業生産の推進、(4)グリーンライフスタイルの実践、(5)危険ごみの環境リスクの防止・抑制、(6)黄河流域の生態保護と質の高い発展の推進、(7)海洋グリーン発展の推進、となる。

そのうち、工業のグリーン発展の実現に向けた具体的な取り組みとしては、以下が掲げられた。

  1. 「両高」(高エネルギー消費・高汚染物質排出)プロジェクトの分別のない推進の防止(2022年5月19日記事参照)、根本的な固体廃棄物削減の推進、資源利用効率の向上、グリーンな製品設計の推進、グリーンサプライチェーンの構築、クリーン生産審査の推進、特に重点分野の企業に対するクリーン生産審査・評価の強制的な実施。
  2. 一般工業固体廃棄物における総合利用の促進、資源の総合利用に関する研究開発の奨励、一般工業固体廃棄物における利用規模の段階的な拡大、総合利用能力の向上、保管・処分量の削減。
  3. 2025年までに、省レベルの「ゼロ廃棄物園区」「ゼロ廃棄物工場」を100カ所以上建設することを目指す。

(董玥涵)

(中国)

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