山東省、全国初となるCO2排出量の減量置換ルールを設定

(中国)

青島発

2022年05月19日

山東省政府は4月29日、「山東省における高エネルギー消費・高汚染物質排出プロジェクトの二酸化炭素(CO2)排出減量置換方法(試行)」を発表、同日より施行した(施行期間は2024年4月28日まで)。

同方法では、エネルギー消費と高汚染物質排出という「両高」産業に該当する新規投資プロジェクトはCO2排出量を厳格に制限し、業種ごとに排出量増加分の1.2倍または1.5倍にあたる排出量を別途削減することを求めている。「両高」産業に対する排出減量置換制度の導入は、中国国内で初めて(「大衆日報」5月11日)。

同方法の適用対象は、基礎化学原料、タイヤ、セメント、鉄合金、鋳造など16業種における川上・一次加工部分の高エネルギー消費・高汚染物質排出の新規投資プロジェクトとなる。

CO2排出量の増加を伴うプロジェクトを計画する際は、下記の方法でCO2排出量を削減することが求められる。

  1. 企業の操業停止・生産転換による削減
  2. 立ち遅れた生産能力の淘汰、過剰生産能力の圧縮を通じた削減
  3. 新規プロジェクトの建設を行う企業が、化石エネルギーから再生可能エネルギーやクリーン電力の使用へ切り替えたことによる削減
  4. その他の方法による削減

代替すべきCO2削減量は、プロジェクトのCO2排出量に業種ごとの係数をかけて算出される。例えば、セメントや精錬、非鉄金属(電解アルミニウム)などの業種は1.5倍、基礎化学原料やタイヤ、鉄合金などの業種は1.2倍の係数がかけられ、結果的にCO2排出総量はプロジェクト実施前より減少する。

また、CO2排出量の減量置換(注)は、プロジェクト実施前の環境影響評価項目に設定され、CO2削減量が確定していない場合はプロジェクトの実施は承認されない。

山東省生態環境庁気候変動対応処の呉泓洋処長は、これまで同省は生産能力、石炭消費、エネルギー消費、CO2排出、汚染物排出の5分野の減量置換について厳格な実施を求めてきた(2021年6月30日記事参照)としたうえで、このうち生産能力、石炭消費、エネルギー消費、汚染物排出については比較的十分な対策を講じてきたが、同方法の制定により、CO2排出の面でも減量置換に関する政策が整備されたと、その意義を強調した。

(注)高汚染・高環境リスク型の生産工程を省エネ性能や環境性能の高いものに代替すること。

(董玥涵)

(中国)

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