2022年通年のGDP成長率予測値をマイナス0.5~0.5%に下方修正
(香港)
香港発
2022年08月22日
香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は8月12日、2022年通年の実質GDP成長率の予測値をマイナス0.5~0.5%に修正すると発表した。香港政府は、2022年2月時点では通年の予測値を2~3.5%と予測。その後、5月には1~2%へと下方修正しており、今回はさらに引き下げたかたちだ。
香港政府統計処は同日、2022年4~6月の主要経済指標の改定値を併せて公表。2022年第2四半期の実質GDP成長率の確定値をマイナス1.3%とした。8月1日に公表した速報値(マイナス1.4%)から0.1ポイント上方修正された。第1四半期(1~3月)の成長率マイナス3.9%(確定値)から緩やかなペースでの改善となった。
香港政府の経済顧問である梁永勝氏は第2四半期(4~6月)の香港経済について、「全体的に改善したものの、期待したほどではなかった。世界的な需要は後退し、越境輸送の混乱が香港の輸出の重い足かせとなっている。ただ、域内需要は、幾分回復がみられた」と振り返った。また、梁氏は今後の見通しについて、「2022年の残りの期間、外部環境の著しい悪化が香港の輸出に重くのしかかるだろう。先進国のインフレ加速、主要な中央銀行による一層の金融引き締めが世界の成長の勢いをさらに弱めるだろう」と指摘した。他方で、梁氏は「中国本土と香港間の越境物流の混乱が大きく緩和される場合には、香港の貿易も一定程度緩和されるだろう。8月12日から適用された入境者に対する強制隔離期間の短縮措置など(2022年8月10日記事参照)がサービス輸出に寄与する」との見方を示した。
(松浦広子)
(香港)
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