2022年1~7月のファクタリング取引高はGDP比約3%に成長

(ペルー)

リマ発

2022年08月31日

ペルー生産省(PRODUCE)は817日、202217月のファクタリング市場に関する報告書を発表した。同報告書によると、売掛債権を決済期日前に第三者へ譲渡して資金調達を行うファクタリング取引を利用した売掛債権数が、前年同期比27.0%増の613,300件に上った。また金額ベースでは、38.9%増の1562,900万ソル(約5,6264,400万円、1ソル=約36円)を記録した。GDPに占める割合も、ファクタリング取引が始まった2015年の0.05%から、20227月時点では2.92%まで上昇している。

同制度の利用状況を産業分野別にみると、商業が取引総額の30.9%に相当する483,600万ソル、サービス業が30.3%の473,600万ソルと上位を占めている。一方、最も取引額が低かったのは水産業(900万ソル)、次いで鉱業(3200万ソル)だった。ファクタリングを利用する企業は、もともと政府が活用を推進していた小規模零細企業(2021年9月29日記事参照)が多い。小規模零細企業全体に占めるファクタリング利用企業の割合は82.6%(13,068社)となっている。これを業種別にみると、水産業が98.0%、建設業が88.5%、サービス業が87.1%、鉱業が80.5%、製造業が78.7%、農業が76.9%、商業が76.0%といずれの業種も高い割合を占めている。ファクタリング取引高の実績では、全体の72.0%が大手企業(1126,000万ソル)によるもので、小規模零細企業は24.3%(38300万ソル)となっている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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