アルミニウムのリサイクルに取り組むガーナ企業

(ガーナ)

アクラ発

2022年08月17日

ジェトロは89日、電気通信ケーブルの国内製造を行う「トロピカル・ケーブルアンド・コンダクター・リミテッド外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますTCCL)」経営幹部らと面談をした。同社子会社は、5年程前からアルミニウムのリサイクル・加工を行っている。今後は、ガーナを拠点とした西アフリカ地域で、自動車部品やバッテリー製造販売の機会を日本企業とともに探りたいと期待を寄せた。

TCCL1986年に商社として設立され、1997年にケーブル製造を開始、その後、ISO9001認証を取得したガーナ初のケーブルメーカーとなった。2007 年には、導電率の高い電気用アルミニウム製ロッド(棒材)を生産する子会社「ウェスタン・ロッド・アンド・ワイヤ・リミテッド外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を設立した。

同社リサイクルアルミニウム製品は、既に世界各国へ輸出され、日本に対しても、自動車業界のOEMTier1企業、空調業界を中心に輸出の実績を有する。アルミニウムの回収から高品質な製品製造までのリサイクルを一貫して行い、安定供給可能な体制を構築している。ボーキサイトから新しく製造する場合と比べ、わずか3%のエネルギーでアルミニウムのリサイクルは行える。TCCL幹部は、持続可能な地球環境を意識しながら、自動車に欠かせない同材に対する西アフリカでの需要に対応していきたいと話す。

さらに、TCCL幹部は「西アフリカでのバッテリー製造の必要性は高まっている」と指摘し、アルミニウムを活用したバッテリー本体・部品の製造に関心を示した。バッテリー需要は、ガーナに限らず、リベリアやシエラレオネなど西アフリカ全体で高まっているものの、一部の再利用バッテリーを除き、バッテリーの製造拠点はガーナには存在しない。現在は中国やトルコなどの国々から安価なバッテリーが輸入されるが、製造から販売までのスパンが長く劣化しているため、使用可能な期間が短いという問題を抱えている。

なお、ガーナでは、新自動車政策によって近年、相次いで自動車組み立てが始まり(2022年4月12日記事参照)、今後のガーナにおける産業構造の転換に向けた動きが注目される。 

(柴田北斗)

(ガーナ)

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