上半期の日本の肉類輸出、シンガポールやタイ向けで過去最高を更新

(シンガポール、タイ、日本)

アジア大洋州課

2022年08月18日

2022年上半期の日本から東南アジア複数国への肉類(注)の輸出額が過去最高を更新した。財務省の貿易統計(概況品、データ抽出日:85日)をジェトロで調べたところ、日本からシンガポール、タイへの肉類輸出はそれぞれ189,600万円、127,500万円となり、これまで過去最高だった前期(2021712月)をそれぞれ13.1%、32.6%上回った(添付資料図参照)。特にタイ向けは数量ベースでも231トンとなり、過去最高だった前期を36.7%上回った。

同様に、マレーシア(58,700万円)、ベトナム(52,500万円)、フィリピン(26,200万円)、インドネシア(1700万円)でも、それぞれ過去最高を更新した。

新型コロナ規制の緩和に加え、日本食への人気の高まり

シンガポールやタイへの肉類輸出が好調な背景には、新型コロナウイルス感染症に関する規制緩和や、現地での旺盛な日本食品へのニーズなどがあると考えられる。シンガポールでは新型コロナ感染拡大に伴い、飲食店の店内飲食禁止などの措置が取られてきたが、2022329日から入店できる人数の上限が引き上げられ、レストランなどの予約が急増した(「ビジネス・タイムス」紙329日)。426日には入店人数の制限そのものが撤廃されている。タイでも20219月以降は段階的に規制が緩和され、客足、売り上げともに回復傾向にある。

シンガポールでは和牛の人気が高まり、価格の上昇が見られる。同国の主要メディアのチャンネル・ニュース・アジア(CNA)は、幾つかの現地レストランへのインタビュー記事(20213月時点)で、新型コロナウイルス流行によって訪日観光が途絶えたことや、牛肉の供給が不足したこと、日本の地方の和牛を提供する高級飲食店が増えていることなどから、直近23年で和牛のブランドに応じて520%の値上げとなった事例を紹介している。

タイでも日本食の人気が高まっているとする報告がある。ジェトロがタイで行った調査では、タイの日本食レストラン数は4,370店舗となり、2020年度調査から6.7%増加した(2021年12月22日記事参照)。同調査によると、現地の関係者の間では、日本をより感じられる本物志向の日本食レストランが増えていくとともに、タイ人の嗜好(しこう)やタイの食文化に合わせてアレンジされた日本食も増えていくとする意見が多い。

(注)肉類とは、牛肉、豚肉、鶏肉など(加工品を含む)を指す。統計品目番号(HSコード)では、02010208, 0210, 1601.00-9, 1602.10-9, 1602.201602.50, 1602.90-9に当たる(財務省貿易統計)。

(山城武伸)

(シンガポール、タイ、日本)

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