米国郵政公社、ホリデーシーズンの国内配送料金の値上げを発表

(米国)

米州課

2022年08月15日

米国郵政公社(USPS)は810日、2022年ホリデーシーズンにおける国内配送料金の値上げを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これは、配送量のピークを迎える同時期を乗り越えるための一時的な料金調整で、例年と同様の措置としている。

値上げの影響を受けるのはコマーシャル(商用)およびリテール(小売り用)の国内配達で、プライオリティ・メール・エクスプレス(PME)、プライオリティ・メール(PM)、ファーストクラス・パッケージ・サービス(FCPS)、パーセル・セレクト、リテール・グラウンドの各サービスを利用した場合だ。国際貨物は、この値上げの影響を受けない。値上げは、米国中部時間の2022102日から2023121日まで適用される。また、一時的な料金調整が目的のため、料金設定を構造的に変えるものではないとしている。

具体的には、PMEおよびPMに関して、商用の場合は地域や重量に応じて75セント~6.5ドル、小売り用の場合は95セント~6.45ドルの値上げとなる。同様にFCPS、パーセル・セレクトおよびリテール・グラウンドに関して、商用の場合は25セント~5.5ドル、小売り用の場合は30セント~5.85ドルの値上げとなる。

USPSは今回の決定について、郵便料金は先進国で最も安く、運送料も引き続きお得なまま、と述べた上で、一時的な料金調整はUSPSの競争力を維持しながら、ピーク時の追加コストを賄うための収入源になるとしている。ジョー・バイデン大統領は202246日、USPSのコストを今後10年で約500億ドル削減するための米国郵政公社改革法案(H.R.3076)に署名した(2022年3月14日記事参照)。また、USPS2021323日に財務持続性およびサービス力強化のための10年計画を発表しており、ホリデーシーズンに合わせた料金調整は同社の自立性を高める取り組みの一環とみられる。

なお、国内貨物と国際貨物にかかわらず、USPSの配送料金はこちら外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認が可能。

(片岡一生)

(米国)

ビジネス短信 6aaca92e84da64ba