ペルー経済財政省、2022年の経済成長率予測を3.3%に下方修正
(ペルー)
リマ発
2022年08月29日
ペルー経済財政省(MEF)は8月25日に発表した「2023-2026年 多年度マクロ経済状況レポート」で、2022年の経済成長率予測を3.3%に下方修正した。同省が2022年4月に発表した「2022-2025年マクロ経済予測更新レポート」では、3.6%と予測されていた。マイナス要因としては第一次産業(鉱業、農業、漁業)における2022年上半期(1~6月)の一時的な供給ショック(注)や「外需の減少」「原料価格の高騰」「インフレ圧力」などを挙げている。
ペルーの2022年経済成長率については、中央準備銀行(BCR)が2022年6月に発行したインフレレポート内で、3.1%と予測している。また、国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)が8月23日に発行した「ラテンアメリカとカリブの経済レポート」で2.5%と予測している(添付資料表参照)。
なお、今回発表された「2023-2026年 多年度マクロ経済状況レポート」では、2023年以降の経済成長に向けたプラス要因として、鉱業分野で「ラスバンバス鉱山などにおける社会争議の解決見通し」や「2022年下半期以降のケジャベコ銅鉱山操業開始」を挙げたほか、投資に対するインセンティブの適用、ワクチン接種促進による、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けた産業(商業、ホテル、レストラン、交通、サービスなど)の活動回復、インフレ圧力の軽減、投資と内需の拡大などを掲げている。公共投資のほか、メトロリマ第2号線計画やホルヘ・チャベス国際空港の拡張計画などの民間投資の進行も経済成長の材料として挙げられている。しかし実際のところ、ラスバンバス鉱山の社会争議は解決の見通しは立っていないほか、多くの民間投資も作業が停滞しているのが現状だ(2022年6月22日記事参照)。
(注)鉱業分野における度重なる社会争議・操業停止による減産、肥料コスト上昇による農産物の減産、不漁による漁獲高減少など。
(設楽隆裕)
(ペルー)
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