フィリピン政府、ニュークラークシティーへの観光産業投資を推進
(フィリピン)
マニラ発
2022年08月03日
フィリピン基地転換開発公社(BCDA)は7月21日、同公社が開発を進めるニュークラークシティー(NCC)について、フィリピン国内外からの観光産業への投資を積極的に受け入れていくとの意向を示した(政府通信社2022年7月21日付)。BCDAは、NCCが将来的にルソン島において最高の観光地となるべく、位置付けているとコメントした。
NCC開発プロジェクトは、マニラ首都圏から北西約120キロに位置する、旧クラーク米空軍跡地にスマートシティーを新たに開発する大規模な計画で、丸紅や中部電力など日本企業も参画している(2019年8月30日付地域・分析レポート参照)。NCC開発プロジェクトは2016年1月に開始され、50年間にわたる長期の開発をBCDAは予定している。
BCDAは、地理的な優位性、生物の多様性、広大なスペースを有するNCCはエコテーマパークの設置やエコツーリズムに関するプロジェクトの開発において最適な場所だとしている。地理的な優位性については、2022年5月に新旅客ターミナルが開業したクラーク国際空港に近接していることや、マニラ首都圏と周辺都市を南北に結ぶ南北通勤鉄道が2028年にニュークラークシティーまで全線開通予定で、マニラ首都圏との接続性が大きく高まること、各種の道路インフラ事業が進められていることをBCDAは挙げた。
NCCの開発面積は9,450ヘクタールで、BCDAの計画ではそのうち40%の面積のみを建設物の設置に用い、残りの60%を森林や広場、公園に充てる。既に4.5ヘクタールのリバーパークが開発されたほか、NCCの中心地において44.8ヘクタールに及ぶセントラルパークを設置する計画がある。
(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)
(フィリピン)
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