電動アシスト自転車など購入支援を強化、ガソリン価格高騰で

(フランス)

パリ発

2022年08月19日

フランス政府は2022年8月12日付デクレ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(政令)により、815日から1231日までの期限付きで、自転車購入にかかわる補助金制度を強化した。ガソリン価格が高騰する中、経済的で環境に優しい交通手段として、自転車の購入を後押しする。障がい者および世帯構成員1人当たりの年間課税所得が13,489ユーロ以下の低所得世帯が対象となる。

具体的には、電動アシスト自転車の購入外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに対する補助金(購入費の40%)の上限を世帯収入に応じ最大400ユーロに引き上げる。これまでは世帯収入にかかわらず、200ユーロを上限に自治体の補助金と同額を上乗せして支給していた。

運搬用自転車(カーゴバイク)、自転車用電動トレーラー、折り畳み自転車、障がい者向け自転車に対する補助金(購入費の40%)については、世帯収入に応じ上限を1,000ユーロから2,000ユーロに引き上げる。

普通自転車の新車購入については、障がい者および世帯構成員1人当たりの年間課税所得が6,300ユーロ以下の低所得世帯向けに、150ユーロを上限に購入費の40%を助成する措置が新たに導入された。

また、20061月以前に登録されたガソリン車および20111月以前に登録されたディーゼル車を廃車処分して、新車または中古の電動アシスト自転車に買い替える(または2年以上のリース契約を結ぶ)買い替え補助金制度外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも強化された。これまでは世帯収入にかかわらず1,500ユーロを上限に購入費の40%を補助していたが、今回のデクレにより、障がい者および世帯構成員1人当たりの年間課税所得が6,300ユーロ以下の低所得世帯に対する補助金の上限を3,000ユーロに引き上げた(補助率は40%で据え置き)。

買い替え補助金は、新車購入補助金と併用できる。また、大気汚染物質の濃度が高い地域を対象に指定される低排出モビリティーゾーン(2022年5月24日記事参照)においては、これまでと同様、電動アシスト自転車の購入またはリース契約に対し、国が自治体からの補助金と同額(上限1,000ユーロ)を上乗せ支給する措置が適用される。

なお、自転車業界団体「スポーツ・自転車連合」の2022年4月の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、2021年の自転車の新車販売台数は2789,000台と過去最大を記録した。このうち、電動アシスト自転車は66万台と前年の515,000台を28%上回った。また、自転車の国内生産台数は80万台と前年の66万台から増加した。同団体は、国産化の動きが強まっているとして、2022年の生産台数を976,000台、このうち50%以上を電動アシスト自転車が占めると予測している。

(山崎あき)

(フランス)

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