7月の貿易、石油・エレクトロニクスが牽引
(シンガポール)
シンガポール発
2022年08月19日
シンガポール貿易産業省(MTI)管轄下の産業・貿易振興機関「エンタープライズ・シンガポール(ESG)」は8月17日、7月の財貿易総額が前年同月比31.0%増(輸出:29.1%増、輸入:33.0%増)と発表した。季節調整済み前月比では3.3%増(2.4%増、4.2%増)だった。ESGは財貿易の増加について「石油とエレクトロニクス製品の増加を反映した」と指摘した。
輸出の指標である非石油部門の地場輸出(NODX、注1)額は前年同月比7.0%増となった。NODXのうち、エレクトロニクス製品は10.3%増、非エレクトロニクス製品は6.1%増だった。エレクロニクス分野では、IC(18.5%増)やIC部品(83.2%増)など、非エレクトロニクス分野では、特殊機械(12.2%増)や医薬品(9.0%増)などがそれぞれの増加に大きく寄与した。
NODXの主要相手国・地域別にみると、EU(22.9%増)、マレーシア(29.9%増)、台湾(24.4%増)が全体の増加に大きく寄与した。EU向けは、医薬品(87.3%増)や特殊機械(21.5%増)などが増加した。上位10カ国・地域(注2)のうち、香港(3.8%減)、日本(15.3%減)、中国(21.3%減)は前年同月水準を下回った。
石油の地場輸出は、数量基準で前年同月比13.4%増、金額基準で97.1%増となった。前年からの石油価格高騰を反映した。
2022年の財貿易総額、NODX予測を上方修正
ESGは7月貿易統計発表に先立つ11日、2022年通年の貿易予測の上方修正を発表した。ESGはその理由として、2022年第2四半期(4~6月)の財貿易総額とNODXともに予想を上回る伸びとなったことや、原油価格の上昇と世界的な半導体需要の堅調さは2022年も継続する可能性が高いと指摘した。その上で、2022年通年の財貿易総額の予測をこれまでの「8.0~10.0%増」から「15.0~16.0%増」、NODXの予測も「3.0~5.0%増」から「5.0~6.0%増」へと上方修正した(2022年5月25日記事参照)。
(注1)自国生産による財輸出で、再輸出を除く。
(注2)EU、マレーシア、台湾、米国、韓国、インドネシア、タイ、香港、日本、中国(7月のNODXへの寄与度順)
(朝倉啓介)
(シンガポール)
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