米フロリダ州予備選、民主党知事選は元知事のクリスト氏に、共和党連邦下院選はトランプ氏支持候補14人全員が勝利

(米国)

アトランタ発

2022年08月25日

米国フロリダ州で823日、11月の中間選挙に向けて民主・共和両党の候補者を決める予備選挙が実施された。知事の民主党予備選では、現連邦下院議員で元知事のチャーリー・クリスト氏が得票率59.7%(米国東部時間824日午後4時時点、以下同じ)で、同州農務長官のニッキー・フリード氏に勝利した。クリスト氏はもともと共和党員で、2007年から2011年にかけてフロリダ州知事を1期務めたが、その後、共和党とたもとを分かった。201411月の州知事選には民主党候補として、当時現職だった共和党のリック・スコット氏に挑み、僅差で敗れた。2016年から、連邦下院議員を務めている。

共和党については、2期目を目指す現職のロン・デサンティス知事以外の候補者がおらず、同党候補に確定した。デサンティス氏は、2024年の大統領選挙の共和党候補としても名前が挙がり注目されている(2022年8月1日記事参照)。知事再選を2024年大統領選挙に向けた足がかりにするとうわさされる同氏に対し、民主党は強い危機感を抱き、その勢いを阻止したいと報じられているが、北フロリダ大学が816日に発表した世論調査結果によると、デサンティス氏が50%で、クリスト氏(42%)を8ポイント上回っている(2022年8月18日記事参照)。

連邦上院議員の民主党予備選では、現連邦下院議員のバル・デミングス氏が得票率84.3%で圧勝した。同氏は黒人女性で、2020年の大統領選挙ではジョー・バイデン候補(当時)が指名する副大統領の有力候補とうわさされていた人物だ。11月の本選では、共和党現職のマルコ・ルビオ氏と争うことになる(注)。

連邦下院議員の共和党予備選では、ドナルド・トランプ前大統領の支持を受けた候補者14人が全員勝利し、トランプ氏の影響力の大きさがあらためて示された(「ポリティコ」824日)。民主党予備選では、第20区において、202111月の特別選挙で勝利した現連邦下院議員のシーラ・シェルフィルス・マコーミック氏が6割を超える票を獲得し、特別選挙の予備選でも対戦したデール・ホルネス氏を再び破った。本選では、トランプ氏を支持する実業家のドリュー・モンテス・クラーク氏(共和党)と対戦する。

(注)連邦上院議員の共和党予備選は、現職のマルコ・ルビオ氏が、他の候補者がいなかったため、同党候補に確定した。

(高橋卓也)

(米国)

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