ベトナム最大の廃棄物発電所、ハノイで正式稼働
(ベトナム)
ハノイ発
2022年08月03日
ベトナム・ハノイ市内のソクソン廃棄物発電所は7月25日、国家送電網に接続し、正式に稼働を開始した。第1段階として、発電容量15メガワット(MW)の発電設備を稼働し、1,000トンの廃棄物を焼却する。これは、ハノイ市内の1日当たりの生活ごみの7分の1に相当する。
ソクソン廃棄物発電所プロジェクトは、総投資額7兆ドン(約399億円、1ドン=約0.0057円)。2017年末にハノイ市人民委員会によって承認され、2019年9月に着工した。事業会社は中国系のティエンイー環境エネルギーで、建設は中国治金科工集団(MCC)が手掛けた。当初は2022年1月の稼働開始を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響や承認プロセスの遅れなどにより、計画が後ろ倒しになっていた。
ソクソン廃棄物発電所は、5基の焼却炉と3基の発電機を有する。焼却炉にはベルギーの技術を採用しており、さまざまな種類の素材が混じり合った混合廃棄物を燃焼できる。フル稼働した場合、処理能力は1日当たり4,000トンで、水分を含んだ状態では5,000トン強に相当する。発電容量は75MWで、ベトナム国内の廃棄物発電所としては最大だ。発電量うち、15~20%は施設の稼働に使用され、残りはベトナム電力総公社(EVN)が買い取る。
ハノイ市内のごみ処理能力改善に期待
ハノイ市では1日当たり7,000トンの生活ごみが発生しており、その多くは市内のナムソン廃棄物処理場とスアンソン廃棄物処理場で埋め立て処理されている。一方、近年は処理能力が追いつかず、近隣の環境汚染が報告されていた。ソクソン廃棄物発電所はナムソン廃棄物処理場に隣接しており、フル稼働によってハノイ市内の生活ごみの7割ほどを処理することが期待されている。
スアンソン廃棄物処理場でも、地場のアマッカオグループがセラフィン廃棄物発電所の建設を進めている。2022年3月に着工し、2023年末に完成予定だ。1日当たり1,500~2,000トンの廃棄物を焼却し、発電容量は37MWを見込む。
(庄浩充)
(ベトナム)
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