米中間選挙、連邦上院選の激戦州で民主党候補がやや優位、各種世論調査

(米国)

米州課

2022年08月10日

中間選挙で激戦が予想されるノースカロライナ、ペンシルベニア、ネバダ、ジョージア各州の連邦上院選挙で、民主党候補がやや優位であることが、各種世論調査から分かった。

調査会社ブループリント・ポーリングが89日、ノースカロライナ州の連邦上院選などに関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。連邦上院選を想定した問いに対しては、民主党候補のシェリ・ビーズリー氏(前州最高裁首席判事)が46%と、共和党候補のテッド・バッド氏(連邦下院議員、42%)をややリードする結果となった。これは、6月に米国最高裁が女性の人工妊娠中絶権を認めたロー対ウェイド判決を覆した(2022年6月27日記事参照)ことから、中絶の権利を守る意識が高まり民主党候補に有利に作用したとみられている。性別の支持率をみると、女性ではビーズリー氏が52%だったのに対し(バッド氏36%)、男性ではバッド氏が50%(ビーズリー氏39%)の支持を集めた。また、無党派層でビーズリー氏は42%とバッド氏(30%)をリードしている。

環境保護を考える有権者の声を反映することを目指す団体エンバイアロンメンタル・ボーター・プロジェクトが7月にペンシルベニア、ネバダ、ジョージアの各州で実施した世論調査PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(注2)では、連邦上院選の民主党候補がやや優位という結果になった。

ペンシルベニア州では、もし今日、連邦上院選が実施された場合、誰に投票するかという問いに対しては、民主党候補のジョン・フェッターマン氏(同州副知事)が50%、共和党候補のメフメット・オズ氏(心臓外科医、テレビ司会者)が39%という結果だった。同様にネバダ州では、民主党候補の現職キャシー・コルテス・マスト氏が51%、共和党候補のアダム・ラクソール氏(元州司法長官) が45%となり、ジョージア州では、民主党候補の現職ラファエル・ワーノック氏が48%、ハーシェル・ウォーカー氏(元プロフットボール選手) が43%と、いずれも民主党候補の支持率が共和党候補を上回った。

現在、連邦上院議会は民主党、共和党がそれぞれ50議席ずつ占めて拮抗(きっこう)し、上院議長を兼ねる副大統領によって民主党が多数党を維持する中、民主党にとっては激戦州での議席を確保することが重要となる。

(注1)実施時期は846日。対象者はノースカロライナ州の有権者656人。

(注2)実施時期は7520日。対象者はジョージア州の登録有権者1,003人、ネバダ州の登録有権者479人、ペンシルベニア州の登録有権者1,012人。

(松岡智恵子)

(米国)

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