中東各国で新型コロナ規制緩和も、トルコで感染者数が再び急増

(中東)

中東アフリカ課

2022年08月18日

中東各国の新型コロナウイルス感染者数は、再び急増傾向となったトルコを除き、8月以降は減少傾向となっている。

オックスフォード大学「Our World in Data外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」から、2022年の中東6カ国〔トルコ、イラン、イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、カタール〕の1日当たり新規感染者数の推移をみると〔添付資料「図1 中東6か国の1日当たり新規感染者数の推移(2022年)」、「図2 湾岸3カ国の1日当たり新規感染者数の推移(2022年)」参照〕、湾岸諸国(UAE、サウジアラビア、カタール)では5月上旬のラマダン(断食月)明け休暇や、7月上旬の犠牲祭休暇の後に一時的に増加がみられるものの、その後は減少し、8月以降は1001,000人台となっている。しかし、規制緩和を進めていたトルコでは、6月中旬以降に新規感染者が再び急増し、7月末には約51,000人に達した(2022年8月12日記事参照)。感染拡大下にありながらも、トルコ政府は今のところ、ロックダウンなどの厳しい対策を再び取ることは検討していない。

感染者数の減少を受けて、中東各国では新型コロナ関連規制のさらなる緩和が進んでいる。ジェトロがまとめた「中東地域における日本からの入国・国内規制・手続き一覧」(84日時点の掲載版、添付資料表参照)によると、入国に当たってUAEとイランでは、2回目のワクチン接種が完了していれば事前のPCR検査は不要となっており、サウジアラビア、イスラエル、トルコではワクチン接種という要件も求めていない。入国時の検査や自己隔離についても、UAE、イスラエル、イラン、サウジアラビア、トルコで原則不要となっている。

国内規制についても、屋外でのマスク着用義務はイランを除く国々で原則不要で、屋内もイスラエル、サウジアラビア、トルコで解除となっている。また、サウジアラビアでは、公共交通機関の利用や店内での飲食時に必要だった免疫獲得状況を示すアプリの提示が廃止されるなど(2022年6月14日記事参照)、多くの国で新型コロナウイルス感染拡大前の生活様式が戻ってきている。

(久保田夏帆)

(中東)

ビジネス短信 129b22dfcd91b8e8