水素燃料電池航空ゼロアビア、エアショーの場で3,000万ドル調達を発表
(英国)
ロンドン発
2022年08月03日
英国燃料電池航空機開発企業のゼロアビア(ZeroAvia)は7月20日、3,000万ドルの資金を調達することを発表した。7月18日から22日にかけて、英国ファーンボローで開催された国際航空ショー
に合わせて発表されたもの。
ゼロアビアは、英国および米国に拠点を有し、水素発電によるゼロエミッション航空技術の開発に焦点を当てている。今回出資するのはインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)、英国金融機関バークレイズ、サウジアラビアの都市開発プロジェクトのネオム(NEOM)、ドイツのテクノロジーファンドAENUだ。ゼロアビアは今回の資金調達を受け、水素パワートレイン(水素燃料を用いた推進装置)開発をさらに加速させるとしている。
国際航空ショーでもビジネスモデルを紹介
ゼロアビアは、ファーンボロー・エアショーに今回初めて出展し、航空用ゼロエミッションエンジンの開発状況を説明した。また、7月21日には創業者兼最高経営責任者(CEO)のバル・ミフタホフ氏がセミナーに登壇し、水素燃料電池が、持続可能な航空燃料(SAF)、蓄電池、ハイブリッドなど他の代替パワートレインと比較して、気候変動対策およびスケーラビリティーの双方に優れていることを説明した。また、世界の空港で水素燃料のエコシステムを確立する計画も説明した。
ゼロアビアは今回の資金調達により、2026年までの40~80席規模の航空機への、水素燃料電池パワートレインによるゼロエミッションエンジン搭載という開発計画がさらに進展するとしている。最終的には、2040年までに200席以上の規模の大型航空機への搭載を計画している。
ファーンボロー・エアショーのセミナー会場(ジェトロ撮影)
(菅野真)
(英国)
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