米石油サービス大手ベーカー・ヒューズ、ロシア事業を現地経営陣に売却へ

(米国、ロシア)

ヒューストン発

2022年08月02日

米国の石油サービス大手ベーカー・ヒューズ(本社:テキサス州ヒューストン)は81日、ロシアでの油田サービス事業を現地経営陣に売却する契約に調印したと発表した。

同社は本契約について、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ベーカー・ヒューズが319日に発表したロシア事業に対する新規投資の停止と、米国の対ロ制裁措置などを順守するための取り組みの一環だとしている。

3月の発表当時、ベーカー・ヒューズのロレンツォ・シモネッリ会長兼最高経営責任者(CEO)は「ウクライナの危機は深刻な問題であり、われわれは外交的解決を強く支持する。暴力を非難し、影響を受けた人々やその家族に心を寄せている」「当社の従業員や顧客、パートナー、その家族の健康と安全は、常に当社の最優先事項だ。われわれは状況を継続的に監視しており、今後もコンプライアンスにのっとって行動することを約束する」と述べていた。

売却後のロシア国内事業は、ベーカー・ヒューズから完全に切り離される。ベーカー・ヒューズがロシア国内に保有している資産、負債および商取引上の義務は、全て現地経営陣に引き継がれることとなる。

本取引は、現地当局の承認を得た上で、2022年後半に完了する予定だ。ベーカー・ヒューズは、売却までの期間、同社従業員をサポートし、顧客および関係者のために秩序ある譲渡を実現することを約束するとしている。

なお、米国企業のロシアでの石油・ガス事業については、シュルンベルジェ(本社:テキサス州ヒューストン)とハリバートン(本社:同前)も318日にロシア事業への新規投資を停止したと発表している(2022年3月22日記事参照)。また、エクソンモービル(本社:テキサス州アービング)は31日、同社がオペレーターを務めるロシア極東サハリン州での天然ガス・原油採掘事業「サハリン1」の操業を停止するプロセスを開始し、ロシアでの新規投資は今後実施しないと発表している(2022年3月2日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、ロシア)

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