中国税関、8月3日から台湾産かんきつ類、タチウオ、冷凍アジの輸入通関受理を暫時停止

(中国、台湾)

北京発

2022年08月04日

中国税関総署動植物検疫司輸出入食品安全局は83日、「台湾産のかんきつ類果物、生鮮および冷凍のタチウオ、冷凍アジの輸入を暫時停止する通知(動植検函〔2022〕34号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、各地の税関に対して同品目の輸入通関受理の即日停止を指示し、速やかに同通知の内容を各税関管轄区内の関連企業に通知するよう求めた。

また、国務院台湾事務弁公室(国台弁)の馬暁光報道官も3日、関係する輸出入分野の規定や食品安全に関する要求や標準に基づき、関連部門が同日、台湾から輸入されるグレープフルーツやレモン、ダイダイなどかんきつ類果物や、生鮮および冷凍のタチウオ、冷凍アジの輸入を暫時停止する措置を取ったと発表した(注)。

通知では、2021年以降、中国の税関では台湾から輸入されたかんきつ類果物から病害虫が繰り返し検出され、残留農薬の基準超過がみられたと説明している。また、20226月には台湾から輸入された冷凍および生鮮のタチウオ、冷凍アジの外包装から新型コロナウイルスが検出されたとも指摘し、リスク防止のため関連する法律法規および標準に基づき、今回の措置を決定したとしている。

中国による台湾産品に対する輸入停止措置としては、202131日から台湾産パイナップルの輸入を暫時停止(2021年3月3日記事参照)したほか、同年920日から台湾産果物のバンレイシ(釈迦頭)とレンブ(蓮霧)の輸入について、防疫を理由に同じく暫時停止した。さらに、2022613日からは台湾産のハタについて、禁止薬物の検出や抗生物質の基準超過を理由に輸入の暫時停止措置を取っている。

今回の措置に関連して、中国メディアでは、台湾産タチウオの輸出の大部分が中国向けといった台湾メディアの報道を引用して報じられている。また、北京工商大学商業経済研究所の洪濤所長は「中国が台湾から輸入する農産品は果物や水産品が主だが、これらは全て中国が強い競争力を持つ産品だ。(今回の措置は)税関が品質に問題のある産品に対して正当な管理を行ったものだ」とコメントした(「北京商報」84日)。

(注)同発表は新華社の報道を国台弁ウェブサイトに転載するかたちで公表された。

(小宮昇平)

(中国、台湾)

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