バングラデシュで新型コロナ・オミクロン変異株「BA.5」拡大

(バングラデシュ)

ダッカ発

2022年07月08日

バングラデシュ下痢国際研究所(ICDDR)は75日、新型コロナウイルス変異株に関する調査結果を外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、20225月以降、「BA.5」型の感染が拡大していることが判明した。今回の調査の結果については以下のとおり。

  • オミクロン変異株がバングラデシュで初めて検出されたのは2021126日。20221月第2週までは「BA.1」型が陽性の大部分を占めた。「BA.2」型は1月第3週から4月第1週にかけて拡散し、その後「BA.1」型に置き換わった。
  • 49日から513日までは、新型コロナ陽性率が低く、陽性事例のCt値(注)が高かったため、感染株の順位付けはできなかった。
  • オミクロン株の変異株「BA.5」型が首都ダッカで初めて検出されたのは519日。
  • 514日から624日にかけては、52の陽性事例のうち、51が「BA.5」型で、最も支配的な変異株となった。残り1例は「BA.2」型。
  • BA.5」感染者40人(男性16人、女性24人、全員海外旅行歴なし)のうち、39人は軽い症状(1人のみ入院)で、1人は無症状。感染回数は11人が2回目、7人が3回目。ワクチン接種については、16人がブースター接種(3回目)完了、21人が2回接種完了、1人が1回接種完了。

バングラデシュでは、6月下旬から1日当たり1,000人を超える感染が確認され、7月に入ると同2,000人前後、陽性率が15%を超える日が続いている。在留邦人や出張者の間でも感染事例が増加している。徹底した感染対策が引き続き必要であり、ICDDRはワクチン接種、適切なマスク着用、ソーシャルディスタンス維持、せっけんでの頻繁な手洗いを推奨している。

(注)Ct値とは、サンプル閾値(いきち)の意味で、PCR検査で新型コロナウイルスを検出するための値として用いられるもの。Ct値が高いと、ウイルス量が少ないことを意味するため、感染株の判定が難しくなる。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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