日本産和牛の魅力や調理方法をブラジルで紹介、現地の市場拡大目指す
(ブラジル、日本)
サンパウロ発
2022年07月22日
ジェトロは7月19日、ブラジル・サンパウロ市内で日本産和牛のプロモーションイベントを実施した。日本産和牛は近年、高所得者層を中心に現地で需要が高まっている。
イベント会場は、市内の高級レストランの1つ「タタ寿司」。ジェトロは、日本産和牛に関心のある高級レストランや、著名なシェフ、ブラジル・レストラン・バー協会などの業界団体、現地のバイヤーやインフルエンサーに加え、パラシオ・タンガラやホテルチボリなどの高級ホテル関係者などを招いて試食会を行った。
ブラジルでは、日本産和牛を提供するレストランやホテルなどはまだ多くはない。ジェトロはこうしたイベントを通じ、より多くの消費者の関心を喚起して国内での市場拡大を図り、日本からの輸入量増加につなげていくことを狙いとしている。
試食会では、日本産和牛の魅力を海外に伝える活動などを行っている山崎賢一郎シェフを日本から講師として招き、日本産和牛と外国産和牛の違いを説明。日本産和牛が高価な理由などに関する情報提供も行った。
食べ方のバリエーションも紹介した。例えば、和牛を焼き物として提供するのみならず、冷製トウモロコシのスープと合わせた先付けや、西京みそをソースとしたスモークローストビーフなどとしても紹介した。
日本産和牛を試食した現地大手バイヤーから「後味の深みと香りが印象に残った」とのコメントを得たほか、レストラン関係者は「調理方法や調味料によって霜降り(油分)を適度にコントロールし、素材を生かすアイデアを得た」などとコメントした。レストランのシェフは「肉料理を好むブラジル南部などでの販路拡大と和食以外の料理でも使える可能性がある」と自信をみせた。ホテル関係者からは「少量でも十分なインパクトがある。特別な環境で提供されるべき食材と感じた」といった声や、「ホテルのレシピとして検討したいので輸入者を教えてほしい」との依頼もあった。
18日には日本の農林水産省がサンパウロにあるジャパンハウスと「日本産食材活用セミナー」を共催した。外食店関係者の和牛に関する理解や関心を促進するため、ジェトロが派遣した講師による日本産和牛の調理や提供方法を紹介した。
日本産和牛の説明を行ったKY nextの山崎賢一郎シェフ(左)と開会あいさつをする原宏ジェトロ・サンパウロ事務所長(右)(ジェトロ撮影)
参加者による日本産和牛の試食(ジェトロ撮影)
(斎藤裕之、古木勇生)
(ブラジル、日本)
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