米石油協会、バイデン大統領にビデオメッセージ、国内生産を優先するよう要請

(米国)

ヒューストン発

2022年07月21日

米国石油協会(API)は714日、ジョー・バイデン米国大統領に宛てたビデオメッセージ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公開した。バイデン大統領のサウジアラビア訪問のタイミングに合わせて公開したものだ。

その中でAPI会長兼最高経営責任者(CEO)のマイク・ソマーズ氏は、バイデン大統領に対し、米国のエネルギー現場を訪問するよう訴えた。また、国内のエネルギー資源を経済の安全保障の戦略的資産として認識するよう求め、「われわれは、足元にあるエネルギー解決策で今日のエネルギー問題に取り組むことができる」と述べ、高まるエネルギー需要に対応できるだけの石油・ガス埋蔵量が米国にあることを強調し、自国のエネルギー源で供給拡大を図るべきとの考えを示した。

米国ではガソリン価格の歴史的な高止まりが続いており、11月に中間選挙を迎えるバイデン政権にとって、ガソリン価格の抑制は喫緊の課題の1つとなっている。バイデン大統領の中東訪問は、伝統的な同盟国との関係修復を図ったと評価する声もある一方、大統領がサウジアラビアから原油増産の確約を取れなかった点から、否定的に評価する報道も多い(2022年7月19日記事参照)。

APIはビデオメッセージの中で「大統領はエネルギー業界の要請を無視し、国内エネルギー生産者には一貫性のないメッセージを送り続けている」と政権を批判している。一方で、大統領が帰国した後に米国内の需給の重要性を再考することに期待を示している。国内の高まる不満に対し、バイデン政策が今後どのように石油・ガス供給拡大に向けて対応していくのか注目が集まる。

(沖本憲司)

(米国)

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