ウクライナ復興会議を開催、スイスは支援予算の追加拠出を表明

(スイス、ウクライナ、ロシア)

ジュネーブ発

2022年07月08日

スイスとウクライナが主催するウクライナ復興会議(URC2022外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます745日に、スイス・ルガーノで開催された。従来、年に1回開催され、2022年はスイスが開催国となることが予定されていた「第5回ウクライナ改革会議」を、2月のロシアによるウクライナ侵攻を受け、急きょウクライナの復興と開発に焦点を当てるための「ウクライナ復興会議」として再調整し、開催したもの。会議には、スイスとウクライナを含めて41カ国の代表およびEU、欧州復興開発銀行(EBRD)などの国際機関が参加した。

イグナツィオ・カシス大統領は開会式で演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、ロシアによるウクライナ侵攻後、国際社会は、持続可能な復興に向けて試練の中にあるウクライナの人々を支援するために団結したと述べた。加えて、従来のウクライナ改革会議の目的だったウクライナの制度改革と、現在の新たな目的であるウクライナの復興を両立させることが必要だとした。

会議では2日間にわたり、経済、社会問題、デジタル化、インフラ、環境保護などの分野における復興の在り方について協議が行われた。

会議は5日に「ルガーノ宣言」を採択して終了した。宣言には、復興プロセスが「国際的なパートナーの協力を得ながらウクライナ主導で行われること」「ウクライナの人々に対して透明性が確保され、説明責任を果たし、法の支配を強化するものであること」「『持続可能な開発のための2030アジェンダ』および『パリ協定』と足並みをそろえ、社会・経済・環境保護の側面を統合した持続可能な方法で行われること」などの7つの原則が盛り込まれた。

また会期中、シモネッタ・ソマルガ環境・運輸・エネルギー・通信相は、パリ協定の目標実現に向けて、ウクライナにおける二酸化炭素排出量を削減するための協定に署名した。

加えて5日、連邦外務省は、ウクライナ支援のための予算を1億スイス・フラン(約139億円、CHF1CHF=約139円)に倍増し、さらに、世界銀行およびEBRDによるウクライナ復興プログラムにそれぞれ1,000CHFずつ拠出すると発表した。

(城倉ふみ)

(スイス、ウクライナ、ロシア)

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