ガソリンなどへの環境保護税、4月から年末まで引き下げ

(ベトナム)

ハノイ発

2022年04月08日

ベトナム政府は4月1日から2022年12月31日まで、ガソリンなど石油製品への環境保護税を引き下げる。ウクライナ危機などを受けて世界的に原油価格が高騰する中、物価上昇に伴う企業や消費者の負担を軽減する狙いだ。

石油製品の環境保護税率に関する国会常務委員会の決議(18/2022/UBTVQH15、3月23日付)によると、ガソリン(エタノールを除く)、軽油、マズート油、潤滑油、グリースに対する環境保護税を50%引き下げる。具体的には、ガソリンの場合、1リットル当たり現行の4,000ドン(約22円、1ドン=約0.0054円)を2,000ドンに減額。軽油、マズート油、潤滑油、グリースは同2,000ドンを1,000ドンに減額する。

灯油の環境保護税は70%引き下げ、1リットル当たり現行の1,000ドンが300ドンになる。

飛行機の燃料に対する環境保護税は、既に2022年1月1日から12月31日まで50%の減税が適用されている。1リットル当たり通常は3,000ドンだが、1,500ドンに減額となっている。これは2021年12月31日付の国会常務委員会の決議(13/2021/UBTVQH15)に基づくもので、新型コロナウイルス流行下の経済支援の一環として実施されている。

環境保護税とは、石油製品や石炭、散布用薬剤など、環境に影響を及ぼす製品に課す間接税。納税義務はこれらの製品を製造または輸入する企業や個人に課している。

今回の環境保護税引き下げにより、国家税収は付加価値税分を含めて約23兆9,540億ドン減少する見込みだが、企業の生産コストや消費者物価指数の上昇を抑制する効果が期待される。環境保護政策の観点からは、引き下げ後の税額が環境保護税法(57/2010/QH12)で規定した範囲内であることや、2022年末までの時限措置であることなどを踏まえ、中長期的な影響はないとの見通しが示されている。

(庄浩充)

(ベトナム)

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