6月のインフレ率、前年同月比6.1%、中銀は政策金利を0.75ポイント引き上げ

(フィリピン)

マニラ発

2022年07月20日

フィリピン統計庁(PSA)は7月5日、6月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)を前年同月比6.1%と発表した(添付資料図参照)。インフレ率は、5月の同5.4%からさらに上昇し、2018年11月以来の高水準となった。また、政府の目標範囲である2~4%を4月から3カ月連続で上回った(注)。

PSAはインフレ率が高まった理由として、交通・輸送費が前年同月比17.1%、食品・非アルコール飲料が同6.0%と高い伸び率を記録したことを挙げた。また、アルコール飲料・たばこ(同7.8%)、住宅・水・電気・ガス・その他の燃料(同6.6%)も6%を超える上昇率だった。

中銀は政策金利引き上げによる物価安定を志向

フィリピン中央銀行(BSP)は7月14日の金融政策会合で、政策金利を0.75ポイント引き上げ、翌日物借入金利を3.25%、翌日物預金金利を2.75%、翌日物貸出金利を3.75%とすることを決定した。BSPは5月と6月の開催された金融政策会合で、政策金利をそれぞれ0.25ポイント、計0.50ポイント引き上げ、金融引き締めを実施していたため、今回は追加利上げとなる。BSPのフェリーペ・メダーリャ総裁は7月8日、「BSPは物価の安定維持に強くコミットする。積極的に政策金利を引き上げる準備ができている」と明言していた(政府通信社7月8日付)。

(注)フィリピン政府は物価上昇率の目標範囲を明示し、物価上昇率が範囲内に収まるように金融政策を運営するインフレターゲットを導入している。政府は2022年から2024年まで、年間のCPI上昇率の目標範囲を2~4%としている。

(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)

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