上半期の空港利用者数、前年同期比7倍、KLIAは6月単月で新型コロナ後初の200万人超え

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年07月27日

マレーシアの空港を運営する政府系企業マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)によると、2022年上半期の国内空港利用者数は、前年同期比6.8倍の2,025万人へ大幅に増加した(7月20日付MAHBプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます添付統計PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。うち国際線利用者は同7.7倍の395万人、国内線利用者は6.7倍の1,630万人と、シェアとしては国内線が8割を占める(注)。国際線の中では、特にASEAN域内の路線利用者数が10.8倍の215万人となり、増加が特に顕著だった。

6月単月の空港利用者数は前年同月比24.0倍の454万人と、2カ月連続で400万人を超えた。国際線と国内線ともに20倍以上の増加幅で、特に国際線は前月比で見ても25.2%増と堅調に推移した。MAHBによると、国際線の座席利用率は前月から5.2ポイント上昇の72.9%となり、初めて7割を超えた。6月にはファイアフライなど国内航空会社が国際線を再開したり、複数の外国航空会社が運航を再開したりしたことが旅客数増加の背景にある。

クアラルンプール国際空港(KLIA)に限れば、上半期の利用者数は前年同期比8.0倍の852万人。うち国際線が353万人(7.1倍)、国内線が500万人(8.7倍)だった。

6月単月のKLIA利用者数は前年同月比25.0倍の208万人となり、マレーシアが新型コロナウイルス対策の入国規制を導入する前の20202月以降、初めて200万人を突破した。メインターミナル(KLIA)は前年同月比15.5倍の105万人、格安航空専用ターミナル(klia2)は68.3倍の102万人が利用した。両ターミナルの利用者数は拮抗(きっこう)しているが、klia2の伸び幅の方が大きく、国際線と国内線ともに格安航空会社の利用増が見て取れる。

マレーシアでは、新型コロナウイルスのエンデミック(一定期間で繰り返す流行)への移行に伴い、20224月に約2年ぶりに国境を開放。翌5月からはさらに入国規制を緩和した(2022年4月28日記事参照)。ワクチン接種完了者であれば、政府の新型コロナウイルス対策アプリをインストールする以外は、新型コロナウイルス感染拡大前と同様の手順で通常どおり入国できる。今後の推移についてMAHBは、国際線の利用者数はいまだ新型コロナ禍前の3割水準にとどまり、回復は初期段階にあるものの、長距離路線の利用者は着実に増えているとし、下半期にはさらに需要が増加すると楽観視している。

(注)本稿では1万人未満の値を四捨五入表記にしたため、内訳を合計しても総計と一致しない場合がある。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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