米GM、バッテリー原材料メーカー2社と長期供給契約を締結

(米国、韓国)

米州課

2022年07月27日

ゼネラルモーターズ(GM)は726日、電気自動車(EV)用バッテリーに用いられる正極活物質(CAM)の長期供給契約を韓国のLG化学と締結したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。LG化学はGMに対し、2022年後半から2030年にかけて、EV500万台分に相当する95万トン以上のCAMを供給し、GMLGエナジー・ソリューション(LG化学の子会社)との合弁会社であるアルティウム・セルズでのバッテリー製造に用いられる。併せて、GMLG化学は、2025年末までに北米でのCAM生産拠点設置を検討すると発表している。

また、GMは同日、EV用バッテリーに用いられるリチウムを製造するリベント(本社:ペンシルベニア州フィラデルフィア)と、バッテリー用水酸化リチウムの長期供給契約を締結したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。リベントは2025年から6年間、バッテリー用水酸化リチウムを提供し、GMの新型電池アルティウムバッテリー(注)のカソード(正極)材として用いられる。また、リベントは、GM向けバッテリー用水酸化リチウムの製造工程のうち、下流の工程を北米に移行することを目指すとしている。

GMでグローバル購買・サプライチェーン担当バイス・プレジデントを務めるジェフ・モリソン氏は「今回の合意は、急成長するEV生産へのニーズに対応するため、バッテリー原材料の強力で持続可能なサプライチェーンを構築するというGMのコミットメントに基づくもの」とした上で、「GMは、2025年末までに100万台のEVを生産するという目標を支えるため、全てのバッテリー原材料について戦略的パートナーとの契約上のコミットメントが確保された」とし、自社目標の達成に向けた今回の契約締結の意義を強調した。

GMEVの生産能力拡大に向けて、EV用バッテリーのサプライチェーン構築を進めており、2022412日にはバッテリーのカソード(正極)材として用いられるコバルトの調達契約をスイスの鉱山開発企業であるグレンコアと締結していた(2022年4月21日記事参照)。

(注)GMが開発したアルティウムバッテリーは、バッテリーパック内に大容量のパウチ型セルを垂直、または水平に積み重ねられる点が特徴。これによって、車両デザインに合わせて最適な配置が可能となり、蓄電容量を最大化できる。最大充電時には450マイル(約720キロ)以上の走行が可能となる。

(滝本慎一郎)

(米国、韓国)

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