米連邦通信委員、アップルとグーグルにTikTokアプリの削除要請

(米国、中国)

サンフランシスコ発

2022年07月01日

米国連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー委員は6月28日、アップルとグーグルに対して、アプリストアから動画共有アプリTikTokの削除を求める書簡を送付したことを自身のツイッター上で明らかにした。カー委員は書簡の中で、中国にいるTikTokの親会社のバイトダンスの従業員が米国人利用者に関する非公開データに繰り返しアクセスしていると報じたメディア記事を引用し、「TikTokは、ただの動画共有アプリではなく、洗練された監視ツールだ」と糾弾した。

カー氏はアップルとグーグルに強制的な措置を取らせる権限を持たず、FCCはこれまでアプリの規制に関与していないものの、同氏の書簡はTikTokに対して政治的な圧力をかけることにつながる(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版6月29日)。アップルとグーグルは29日時点で、書簡に関するコメントを出していない。

中国製アプリの利用をめぐっては、ドナルド・トランプ前大統領が安全保障上の観点から問題視し、2020年8月にTikTokとSNSアプリ微信(WeChat)の利用を禁止する大統領令や、電子決済サービス「アリペイ」など8つの中国製アプリを制限する大統領令を発令していたが、ジョー・バイデン大統領は2022年6月9日にそれを撤回する大統領令を出している(2022年6月15日記事参照)。

(田中三保子)

(米国、中国)

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