サル痘の感染者ゼロも、欧米の関係機関の支援で検査体制を整える

(ボリビア)

リマ発

2022年07月28日

ボリビアにおけるサル痘による感染者は、727日時点では報告されていない。ボリビア保健スポーツ省(MSyD)は、524日にすでにサル痘感染症に関する疫病警報を発令しており、また各地方保健サービス局(SEDES)に対して同疫病の対策マニュアルを配布している。ジェイソン・アウサ保健スポーツ相は「サル痘の感染力は新型コロナウイルス以下で、より濃厚な接触を要するため国際機関も国境封鎖などの措置の必要性はないとしている」として、水際対策としての入国規制や国境封鎖の可能性を否定した。

一方で、MSyD傘下の国家保健情報システム疫学監視網(SNIS-VE)によると、現在までにオルーロ県で1件(男)、サンタクルス県で2件(男女)の感染の疑い事例が発生しているが、いずれもサル痘ではないことが確認されている。また検査体制については、ボリビア政府では当初、専用の検査キットが整っていなかったため、国立保健研究所(INLASA)を通じて、アルゼンチン政府の協力を経て同国で検査が行われていた。しかし現在は、INLASAとドイツのシャリテー医科大学研究所との間で締結された協定の下で、同大学から試薬が提供されたため、ボリビア国内での検査体制が整ったとしている。そのほかにも、アウサ保健スポーツ相は、MSyDの疫病局が汎米保健機構(PAHO)の支援の下で、米国アトランタの疾病予防管理センター(CDC)からサル痘検査キットを入手したことを明かした。その上で、同相は国民に対して、パニックを起こさず冷静な対応を呼び掛けた。

(設楽隆裕)

(ボリビア)

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