サムスン電子、回路線幅が3ナノメートルの半導体の量産を開始

(韓国)

ソウル発

2022年07月07日

韓国のサムスン電子は6月30日、世界で初めてゲートオールアラウンド(GAA:Gate-All-Around)構造(注1)を適用した3ナノメートル半導体の量産を開始したと発表した。

同社のGAA構造を適用した第1世代の3ナノメートルプロセスは、既存のフィンフェット(FinFET)構造(注2)の5ナノメートルプロセスに比べ、消費電力の45%削減、性能の23%向上、面積の16%小型化に成功した。開発中のGAA構造の第2世代プロセスでは、消費電力は50%削減、性能は30%向上、面積は35%小型化されるという。

また、同社は既に3ナノメートルプロセスの高性能コンピューティング(HPC:High-Performance Computing)向けの量産を開始しており、さらにモバイル機器向けのシステム・オン・チップ(SoC)(注3)などにも適用していきたい考え。今後は、顧客ニーズに応じた「PPA(消費電力・性能・面積)」を提供し、次世代の半導体受託生産サービス市場をリードしていきたいとした。

(注1)トランジスタの構造において、電流が流れる4面のチャネルをゲートで囲い、電流の流れをより細かくするなど、チャネルの調整能力を最大化した構造。

(注2)立体(3D)構造の最新プロセス技術。4ナノメートル以降の工程では計測以上の動作電圧が下げられないとされる。

(注3)さまざまな機能のデバイスで構成されたシステムを1つのチップとして作る技術。

(当間正明)

(韓国)

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