全国自動車製造業者協会、2022年の業界見通し発表

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年07月20日

ブラジルの全国自動車製造業者協会(ANFAVEA)は78日、2022年の自動車(乗用車・商用車、バス、トラックの合計)生産台数、国内販売台数(新車登録ベース)、輸出台数の見通しを同日付のプレスリリースで更新した。

自動車(乗用車・商用車、バス、トラックの合計)生産台数は1月時点の見通し246万台から234万台に下方修正した。ANFAVEAのマルシオ・デ・リマ・レイチ会長は「世界的な半導体不足の影響が予想に反して長期化したことに加え、ロシアによるウクライナ侵攻、新型コロナウイルス感染の再拡大による中国でのロックダウンが部品の供給や物流網の乱れに影響を及ぼしたことが要因」と説明した。

国内販売台数(新車登録ベース)も230万台から214万台に下方修正した(注1)。ANFAVEA67日に行った共同記者会見によると、原材料不足などで国内需要を満たせていないことが要因と説明した。また、消費者が自動車を購入する方法として、ブラジルでは金融機関の融資による分割払いが一般的なものの、昨今は金利が上昇し、かつ金融機関の審査も厳しくなったことで、分割払いで自動車を購入する消費者の割合が減少したことも影響したと説明した(注2)。

一方、輸出台数は39万台から46万台に上方修正した。主要輸出先のアルゼンチンの経済情勢が懸念されるものの、コロンビア、チリ、ペルー、メキシコ、ウルグアイ向けの輸出台数が増加したためだ(78日付ANFAVEAプレスリリース)。

(注12022年の自動車(乗用車・商用車、バス、トラックの合計)生産台数、国内販売台数(新車登録ベース)の見通しはそれぞれ下方修正されているが、2021年比で見ると、生産台数は4.1%増、国内販売台数(新車登録ベース)は1.0%増加している。

(注2)最新の中央銀行データ(624日から30)を見ると、国内の2大大手銀行の月利と年利はいずれも前年同期比で上回っている。2大大手銀行のうちのブラデスコ銀行の場合、個人向け自動車購入の融資の金利は、月利で1.82%、年利24.10%となっており、前年同期の1.34(月利)17.27%(年利)を上回る。イタウ銀行も、個人向け自動車購入の融資の金利は月利2.01%、年利26.98%で、前年同期の1.36(月利)17.62%(年利)を上回っている。

(古木勇生)

(ブラジル)

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