中央準備銀行、政策金利を再び引き上げて6.00%に

(ペルー)

リマ発

2022年07月11日

ペルー中央準備銀行(BCR)は7月7日の金融政策決定会合で、政策金利を前月(2022年6月13日記事参照)に続いて引き上げ、5.50%から6.00%にすると発表した。BCRは今回の引き上げの理由について、以下のとおり説明している。

  1. 国際的な食料や燃料価格の急上昇により、直近12カ月間の累計インフレ率が5月の8.09%から6月には8.81%となり、政府目標値(1~3%)を上回った。食料とエネルギーコストを除いた12カ月間累計インフレ率も5月の4.26%から6月には4.95%に増加し、同様に政府目標値を上回っている。
  2. 2021年後半から続いている顕著な原油や食料価格の高騰に加えて、直近の国際紛争などによる影響が世界的に過去数年間に類を見ない、かつ先進国や中南米地域の中央銀行の目標インフレ率を大きく上回る規模でインフレ率上昇をもたらしている。そのため、インフレ率が目標値(1~3%)内に収まるのは2023年第2四半期(4~6月)~第3四半期(7~9月)ごろになる見通し。
  3. インフレ率が下落傾向になるのは、同指標に影響する為替、原油や食料価格の高騰が収まり、経済活動が本来の水準を下回っているだろう2022年7月以降の見通し。
  4. 2022年のインフレ率の見通しが5月から6月にかけて4.89%から5.35%に上昇し、政府目標値の上限を上回っている。
  5. 世界的に経済活動は回復基調にあるものの、消費財やサービスの国際供給力の低下や、先進国の財政刺激策などの効果に対する不透明感、中国での新型コロナウイルスによるロックダウンや国際紛争などの影響により鈍化している。

BCR理事会では引き続きインフレ率やその見通しや経済動向などを注視しながら、不安定な金融市場を下支えしていくとしている。次回のBCR金融政策決定会合は8月11日を予定している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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