北京市、2025年までの製造業の低炭素化計画を発表

(中国)

北京発

2022年07月11日

北京市経済情報化局は6月9日、「第14次5カ年(2021~2025年)規画期間中の製造業のグリーン低炭素発展に関する行動方案の通知」(京経信発[2022]42号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。

この通知では、2025年までに達成を目指す主要目標として、工業生産増加額(付加価値ベース)1万元(約20万円、1元=約20円)当たりのエネルギー消費量を2020年比で12%以上、二酸化炭素(CO2)排出量を20%前後、水消費量を10%以上、それぞれ削減するとした。そのほか、工業用水再利用率を95%以上に維持し、グリーン工場を累計150カ所にするという。

その上で、以下の7つの重点活動に取り組むことを示した。

  1. 産業構造の最適化とアップグレード(一般的な生産製造プロセスのスムーズな退出と、ハイエンド・精密・先端的産業システムの最適化の推進など)
  2. 製造業企業の省エネと低炭素化(エネルギー構造の低炭素化の推進、エネルギー効率の向上、エネルギー消費とCO2排出の二重制御の強化など)
  3. 資源利用効率の向上(重点産業での水節約改革の推進、非在来型水利用の強化、資源の効率的なリサイクルの促進など)
  4. 生産プロセスのクリーン化・最適化〔グリーン設計の推進、クリーン生産の推進、揮発性有機化合物(VOC)の管理の深化、その他汚染物質の排出管理強化など〕
  5. 生産方式のデジタル化への転換(サプライチェーン管理のデジタル化、製品ライフサイクル全体のグリーン低炭素化、資源エネルギー消費や汚染排出に対する管理など)
  6. グリーン産業のイノベーション発展(低炭素化に関するコア技術のイノベーションと応用の推進、グリーンスマートエネルギー産業クラスターの構築、省エネ・環境保護産業の発展の促進など)
  7. マネジメントサービスの強化(製造業のグリーン発展に関する地方標準体系の整備、グリーン製造サービスの供給強化、ベンチマーク企業のモデルとしての役割発揮など)

このほか、同通知では、自動車、電子、医薬品、原材料などの重点産業のグリーン・低炭素発展に関するプロジェクトも盛り込んでいる。

なお、北京市は6月29日に「第14次5カ年(2021~2025年)規画期間の低炭素に関する試行取り組み方案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公布し、先進的な低炭素技術の選定(注)、低炭素化の取り組みが先進的な企業の選出など4分野のパイロット事業を行うとしている。

(注)方案では、再生可能エネルギーの開発・利用、エネルギーシステムの最適化、グリーン製造、低炭素建築、低炭素輸送、CO2の回収・利用・貯蔵、CO2以外の温室効果ガス排出抑制などの重点分野で、排出削減効果が高く、応用できるシーンが多く、普及させる価値の高い先進技術を選定し、パイロットプロジェクトとして実施するとしている。

(趙薇)

(中国)

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