「新型都市化実施方案」を推進、一部都市で戸籍取得制限を緩和
(中国)
北京発
2022年07月20日
中国・国家発展改革委員会は7月12日、「第14次5カ年(2021~2025年)規画期間中の新型都市化に関する実施方案」(発改規画[2022]960号)を発表した。方案では、戸籍取得制限の緩和などにより、2025 年までに常住人口都市化率(注1)と戸籍人口都市化率(注2)の差を顕著に縮小させるという目標が示された。
方案によると、2020年末時点で全国の常住人口都市化率は63.9%になった一方、戸籍人口都市化率は45.4%となっており、両者の間には依然として開きがある。このような背景のもとで、方案では「戸籍制度改革の深化」として、以下の取り組みを実施するとしている。
- 常住人口1,000万人以上の「超大都市」(注3、注4)を除く都市で戸籍の取得制限を緩和し、居住地での戸籍登記制度を試験的に実施する。
- 常住人口500万人以上1,000万人未満の「特大都市」で導入しているポイント制の戸籍登録制度について、ポイント項目を簡素化し、社会保険料納付年数と居住年数をポイントの主たる要素にし、年間の登記人数制限の取り消しを奨励する。
- 常住人口300万人未満の都市の戸籍制限を撤廃するほか、人口300万人以上~500万人未満の大都市の戸籍取得条件を全面的に緩和する。
他方、北京市や上海市などの「超大都市」では、引き続き比較的厳格な戸籍登録制度が実施されている。北京市人力資源・社会保障局は7月11日、2022年の同市の戸籍取得資格の認定者は6,006人と発表した。資格認定者は7月19日から2024年12月31日までの間に、関連規定に基づき北京市戸籍の取得手続きを行うことができる。同局によると、今回の資格取得者の特徴は、(1)安定して就業する年数が長く平均16.7年、(2)年齢は33~58歳と幅広く、45歳未満の割合は96.6%で、平均年齢は40.8歳、(3)幅広い業界をカバーしており、ハイテク企業に従事する人の割合が36%、の3つとしている(「財新網」7月11日)。
(注1)全人口に占める都市部に半年以上住む人口の割合。
(注2)全人口に占める都市戸籍者の割合。
(注3)国務院が2014年11月に発表した「都市規模の分類基準の調整に関する通知」では、常住人口が300万人以上、500万人未満の都市を「大都市」、500万人以上、1,000万人未満の都市を「特大都市」、1,000万人以上の都市を「超大都市」と分類している。
(注4)国家統計局によると、2021年時点で「超大都市」は上海市、北京市、重慶市、広東省広州市、深セン市、天津市、四川省成都市の7都市となっている。
(趙薇)
(中国)
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