スペイン外相、NATOによるマリへの軍事介入の可能性除外せず

(マリ、スペイン、ロシア)

アビジャン発

2022年07月08日

スペインのホセ・マヌエル・アルバーレス外務・EU・国際協力相は630日、スペインの首都マドリードで開催されたNATO首脳会議で「われわれの安全保障を脅かすものであるならば、NATOはマリへの介入の可能性を除外しない」との見解を示した。

今回の声明は、12年ぶりに改訂されたNATOの戦略概念外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、サヘル地域と南方全域が「戦略的関心地域」であると同時に、「脅威の源泉」とされていることを受けたもの。NATOは、クーデターで政権を掌握したマリの軍事政権がフランス軍に代わり、ロシアの民間軍事会社ワグネルの支援でイスラム過激派の掃討作戦を展開しているとして警戒を強めている。アルバーレス外相は「アフリカでロシアのプレゼンスが高まっている」と懸念を示した。

アフリカにおけるロシアの影響力の拡大については、スペインのマルガリータ・ロブレス国防相が525日、NATOに対して「マリやリビアといった国々で、ロシアの活動やワグネル・グループのようなロシアの民間軍事会社が拡大していることは明白だ」として、早急に対処するよう求めていた。

なお、首脳会議に先立っては、移民やテロについても触れられた。ホスト国スペインなどは、敵対勢力が加盟国の安定を損ねる目的で利用し得る「複合的脅威」の1つになっているとして、新たな戦略概念に「移民の脅威」を含めることを要求した。

(渡辺久美子)

(マリ、スペイン、ロシア)

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