米国に続き、カナダもメキシコのエネルギー政策で2国間協議を発表

(カナダ、メキシコ、米国)

米州課

2022年07月22日

カナダのメアリー・エング国際貿易・輸出促進・中小企業・経済開発相は721日、メキシコのエネルギー政策が自国企業を優遇し、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA、カナダではCUSMA)に違反しているとして、米国通商代表部(USTR)による720日のメキシコ政府への協議要請(2022年7月21日記事参照)に続き、カナダ・メキシコ間でもエネルギー協議を開始すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

エング国際貿易相は「カナダは、一貫して、メキシコのエネルギー政策の変更に関して懸念を表明してきた。われわれは、これらの政策がメキシコのCUSMAの義務と矛盾しているという点で米国の見解に同意する」として、「カナダは、米国の問題提起を支持しつつ、これらの懸念に対処するための行動として、独自の協議を開始する」「われわれは、メキシコのクリーンエネルギーへの移行において主導的な役割を果たし、北米全体の数千人の労働者を支えているカナダのエネルギー部門を常に擁護していく」と述べている。USTRの発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとは異なり、エング国際貿易相の声明ではCUSMA義務違反とみられる点についての言及はなかった。

カナダは、メキシコのエネルギー産業にこれまで129億カナダ・ドル(約13,803億円、Cドル、1Cドル=約107円)を投資してきており、その中には、メキシコの消費者へ手頃なエネルギーを提供する、革新的かつ低コストの再生可能エネルギー事業への投資50Cドル相当が含まれている。

米国はかねてメキシコ政府が自国企業を優遇するかたちでエネルギー政策を変更しているとの懸念を表明しており、エング国際貿易相は、キャサリン・タイUSTR代表とともに778日にメキシコを訪問した際に、同国のロシオ・ナーレ・エネルギー相と会談を持っている(2022年7月9日記事参照)。エング国際貿易相は同会談に関する声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、メキシコのエネルギー部門のルール変更が労働者、人々や企業に重大な影響を与える可能性があることを強調しており、両国のエネルギー部門の投資家、労働者、消費者を支援するための協力の強化についての対話を継続し、北米内で公正な競争の場を育成し続けることで双方合意したと述べていた。

(高山さわ)

(カナダ、メキシコ、米国)

ビジネス短信 68bfbcbf8ec45281