オーストラリアで人口増、移民が全人口の5割に
(オーストラリア)
シドニー発
2022年07月27日
オーストラリア統計局(ABS)は6月28日、2021年7~9月に実施した国勢調査の1回目の結果を発表した。オーストラリアの総人口は約2,550万人で、前回調査(2016年)と比較して、200万人余り増加した(8.6%増)。1971年国勢調査の総人口は1,200万人超だったため、50年間で約2倍に増加したことになる。ABSは、人口は増加を続け、文化的に多様な国へと変化していると説明した。
2017年から4年間でオーストラリアが海外から受け入れた人口は合計約102万人となった。海外で生まれた者または両親のどちらかが海外で生まれた者(移民)は、総人口に占める割合が5割を超え(51.5%)、両親のいずれもオーストラリア出身かつオーストラリアで生まれた者(48.5%)の割合を上回った。移民の出身国別に2016年から5年間で増加した割合をみると、ネパールが2.1倍、インドが48%、パキスタンが45%、イラクが38%、フィリピンが26%の順だった。
人口構成を州別にみると、全体の約8割がオーストラリア東部(ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、クイーンズランド州、首都特別地域)に集中している。うち、ニューサウスウェールズ州が最も多い約807万人、次いでビクトリア州が約650万人だった。都市別でみると、オーストラリア最大の都市シドニーは約520万人、次いでメルボルンが約490万人、ブリスベンが約250万人だった。
オーストラリアの中央年齢は38歳、性別ごとの中央年齢は男性37歳(人口の49.3%)、女性が39歳(同50.7%)だった。人口の世代構成では、ベビーブーム世代(55~74歳)とミレニアル世代(25~39歳)が最も多く、それぞれ21.5%、次いでX世代(40~54歳)が19.3%、Z世代(10~24歳)が18.2%だった。
世帯別の家族構成は、全人口の70.5%が家族世帯、25.6%が単身世帯、3.9%が婚姻関係などのないグループ世帯だった。また、全世帯の3分の2が持ち家(31.0%)または住宅ローン有りの持ち家(35.0%)、残り3分の1(30.6%)は賃貸だった。
(青島春枝)
(オーストラリア)
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