ベルリン国際航空宇宙ショー、水素エネルギーの利用に関心集まる

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2022年07月06日

ベルリン国際航空宇宙ショー(ILA)が6月22〜26日に開催された。新型コロナ禍以降、欧州で開催される初の航空宇宙ショーとなった今回は、「サステイナビリティ」「気候変動」「デジタル化」「サイエンス」「危機管理・防災」といったテーマに焦点が当てられた。

写真 会場でデモ飛行を撮影する一般来場者(© Messe Berlin GmbH)

会場でデモ飛行を撮影する一般来場者(© Messe Berlin GmbH)

29カ国から約550社が出展、来場者数は約7万2,000人に達した。オラフ・ショルツ首相は開会式で、水素や電気を利用した航空機の駆動技術実用化などについても「国家水素戦略」(2020年9月9日付地域・分析レポート参照)の枠組みで支援する意向を示した。

主催者のメッセ・ベルリンは「GLOBAL HYDROGENERATION」のコンセプトを打ち出し、水素航空機構想などを紹介した。同社は、今秋以降の他の展示会でも水素関連の取り組みを扱うという。また、エアバスやドイツ航空宇宙センター(DLR)は、水素燃料の使用に向けた実証実験や将来の水素航空機の開発促進に向け、意気込みを示した。

エアバスやMTUなどのドイツ航空機メーカー、ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)などからは、日本のメーカーとの共同生産事例(V2500など)をはじめ、日本の部品や素材を高く評価する向きが見て取れた。今回視察のためILAを訪れた、大和合金の萩野源次郎代表取締役社長は「現在、ドイツの機械メーカー、リープヘルが製造する脚のほぼ全てに対し特殊銅合金部材を供給している」と自信をのぞかせた。

写真 リープヘルのブースに展示された着陸ギア(ジェトロ撮影)

リープヘルのブースに展示された着陸ギア(ジェトロ撮影)

航空機関連企業としては日本から唯一出展した川崎重工業は、海上自衛隊の哨戒機P-1の大型模型を展示し、同社の坂井強理事らが来場者にアピールした。前回2018年のILAでは海自がP-1の実機展示を行った実績があり、ILA主催者など関係者からは4年前の飛行や地上展示を高評価する声が聞かれた。

写真 川崎重工業ブース(川崎重工業提供)

川崎重工業ブース(川崎重工業提供)

会場には、航空宇宙関連の中小企業やスタートアップ企業も多数出展しており、ブレーメン州のクリスティーナ・フォクト経済相や同州経済振興公社は、日本との協業にも関心を示した。日本から視察に訪れた防衛装備庁の石田伸介プロジェクト管理総括官は、防衛装備品の開発・生産に当たり、メッセ・ベルリンのハイケ・ヘンメア・プロジェクトディレクターとの会談の中で、中小企業やスタートアップの活用に期待を示した。

なお、日本の「2024年 国際航空宇宙展外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(JA2024)は、2024年10月にメッセ・ベルリンILAと相互提携協定を交わしている東京ビッグサイトにおいて開催される。

次回のILAは2024年6月5〜9日に開催の予定。

(和爾俊樹、矢島佳子、佐藤由美子)

(ドイツ、日本)

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