北京市、7月11日から一部施設への入場に新型コロナワクチン接種義務付け

(中国)

北京発

2022年07月07日

北京市政府は76日、新型コロナウイルスのワクチン接種に関する取り組みと、一連の感染予防抑制措置を新たに発表した。

同市衛生健康委員会の李昂副主任は、これまでの感染拡大の経験から、公共の場所、特に密閉された人の集まる空間にいったん感染源が入り込むと感染拡大を増幅する効果があり、感染拡大リスクが高まることが判明したと説明した。

その上で、「社会面」(注1)での感染拡大の予防抑制をさらに徹底させ、防疫対応でのワクチンの有効な役割を発揮させ、特に感染リスクの高い60歳以上の高齢者や公共サービス従事者を感染リスクから守るため、711日から以下の措置を実施するとした。

  • オフラインの研修機関、図書館、博物館、映画館、美術館、文化センター、スポーツ施設、フィットネス施設、公演・娯楽施設、インターネットカフェなど、人が集まる場所への入場にはワクチン接種を必須とする(接種に適さない人を除く、注2)。
  • その他、入場制限や予約制を実施している場所ではワクチン接種者を優先する。

ワクチン接種の有無の確認方法については、北京市内で受けた接種記録は「北京健康コード」アプリの画面上で、北京市以外で接種を受けた人は接種記録や「国務院客戸端」のミニプログラムで接種状況を確認できるとしている。

また、既に65日に公布・実施されている以下の措置について引き続き厳格に実施するとした。

  • 各種公共サービスや都市運営業務の従事者、重要な会議活動の参加者は、原則としてワクチンの完全接種あるいは追加接種を完了する必要がある。
  • 北京市内の団体旅行ツアーに参加する場合、完全接種あるいは追加接種を完了する必要がある。

上記措置に関連して、北京市内のホテルでは、会議開催に当たってワクチン接種を完了したという証明などが求められているケースがあり、日系企業の会合開催にも一部影響が出ている。

なお、北京市では77日現在、感染者が散発的に確認されており、75日に確認された感染者3人については、検体を解析した結果、新型コロナオミクロン株の一種「BA.5.2」であると発表されている。

(注1)「封控区」や「管控区」などの封鎖・管理区域以外のエリアを指す。

(注2)今回の措置に加えて、市内の各種公共施設やオフィスビルなどへの入場に当たっては、72時間以内のPCR検査陰性証明の提示が引き続き求められている。

(小宮昇平)

(中国)

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