新型コロナワクチンの2回目ブースター接種、対象年齢を引き下げへ
(マレーシア)
クアラルンプール発
2022年07月20日
マレーシアのカイリー・ジャマルディン保健相は7月19日、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種、つまり2回目のブースター接種について、併存疾患を持たない50~59歳の年齢層に対しても承認すると発表した。新規感染者数が増加傾向にあることを受け、保健省の作業部会が勧告した。また、18歳以上の成人であれば年齢にかかわらず、長期療養施設の入所者や重症化リスクの高い者、医療従事者についても、2回目のブースター接種を可能とする。1度目のブースター接種から空けるべき経過期間については、現在のところ特に示していない。
保健省は4月、60歳以上の高齢者のうち重症化リスクの高い人など、一部の対象者向けに4回目のワクチン接種を認めていた(2022年4月21日記事参照)。7月19日現在、高齢者のうち2回目のブースター接種を終えた人の割合は3.2%だ。
マレーシアでは7月8日、オミクロン株の変異種である「BA.5」の国内感染が初めて確認された。この際にも保健相は、次の感染拡大に備えてあらためてワクチン接種の徹底を呼び掛けていた。保健省によると、先週1週間の新規感染者数は2万6,355人と、前週から23.4%増加。5月以降2,000人前後で推移していた1日当たりの新規感染者数も、7月15~16日には5,000人を突破した。入院者数や集中治療室の使用率も上昇しつつある。
一方で、イスマイル・サブリ首相は11日、感染者数が増加傾向にあることを指摘しつつも、2021年までに行ったような経済活動への制限措置を再導入する考えはないことを明らかにしている。
(吾郷伊都子)
(マレーシア)
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