アグリテック隆盛する国も、ジェトロの農業ウェビナー

(ラオス、トルコ、インド、バングラデシュ、ウズベキスタン)

新興国ビジネス開発課

2022年07月28日

ジェトロは756日、ウェビナー「農業資機材・アグリテックのアジア・フロンティア市場における可能性」を開催し、2日目はジェトロの海外事務所から農業概況や現地ニーズを講演した(1日目:2022年7月28日記事参照)。いずれも、農業の高度化を課題として抱える一方、アグリテック市場の隆盛を指摘する声もあった。

ジェトロのビエンチャン事務所の山田健一郎所員は、ラオスでは農業従事者の割合が減少傾向にある一方、キャッサバや天然ゴムなど換金性の高い農作物生産に従事する世帯が増加傾向という点を指摘した。一般農家では小型トラクター普及率が2011年の34%から2020年には63%に上昇するなど、手頃な価格の農機の普及が進んでいると述べた。他方で、肥料などの資材は一部が周辺国から流入するにとどまり、市場や物流が未発達なため、現地農家のニーズを満たせていない現状を報告した。

ジェトロのダッカ事務所の山田和則所員は、バングラデシュでは農業市場が2020年に450億ドル(2016年比で約30%増)を記録したと報告。他方で、伝統的農法がいまだ一般的なため、機械化による生産性向上を課題として指摘した。また、日本製品が他国製と比べて高価格な点が障壁となっており、バングラデシュ政府による農業機械普及の補助金活用がポイントと述べた。

ジェトロのニューデリー事務所の酒井惇史所員は、GDP2割を占める第一次産業はインドの重要産業である一方、40%を下回る低い機械化率や非効率な流通構造、農地の細分化や農家の低所得といった課題を指摘。小規模農家向け技術や製品、流通システム改善に対するニーズを報告した。さらに、アグリテック企業数が2013年の約50社から2022年には1,300社以上に増加するなど、同市場の成長ぶりも紹介。農産品の高付加価値化や人工知能(AI)による流通の効率化や、小規模農家向けの農業機材レンタルなどのスタートアップが活躍していると述べた。

ジェトロのイスタンブール事務所の佐野充明所長は、多様な作物を産出するトルコは輸出の約15%を食品・農産品が占める地域有数の農業大国であり、外国ブランドを含めた農機への関心が高まっていると説明した。さらに、化学肥料の使用量が2010年から2021年に1.5倍に伸びるなど、農機以外の市場もここ10年で拡大しているとの見方を示した。課題としては、小規模農場の増加や農地減少、生産コスト上昇などに伴う生産性の向上、農産品物流の改善などを指摘、農業の近代化につながる製品や技術にニーズがあると報告した。

パネルディスカッションから参加したジェトロのタシケント事務所の高橋淳所長は、中央アジアには肥沃(ひよく)な農業地帯が広がっており、水稲栽培や園芸農業を通し大規模農業が展開されていると紹介した。

アジアでの高いニーズを背景に、ジェトロは9月に「アジア広域農業資機材・アグリテックオンライン商談会」を開催する。日本企業とのビジネスを求める現地企業20社が参加する予定。

(一瀬友太)

(ラオス、トルコ、インド、バングラデシュ、ウズベキスタン)

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