ムハンマドUAE大統領が初の「I2U2会合」などに出席、バイデン米大統領とも会談

(アラブ首長国連邦、米国、イスラエル、インド、湾岸協力会議(GCC))

ドバイ発

2022年07月20日

アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領は、米国のジョー・バイデン大統領が71316日にイスラエルやサウジアラビアを歴訪したのに合わせて(2022年7月19日記事2022年7月20日記事参照)、一連の会議や会談に出席した。

バイデン大統領がイスラエルに滞在した14日には、米国やイスラエル、インド、UAEからなる「新クワッド」(4カ国の頭文字をとって「I2U2」と命名)の第1回首脳会合にオンライン出席した(2022年6月29日記事参照)。

共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、会合では、食糧安全保障とクリーン・エネルギーが主たる議題となった。食糧安全保障分野では、UAE20億ドルを投資し、インドでフードロスや水の使用量を減らし、再生エネルギーを活用した食糧生産プロジェクトを行うと表明。インドは土地や農業従事者を確保し、米国とイスラエルはテクノロジーや専門知識を提供することで合意した。

クリーン・エネルギー分野についても、インドのグジャラート州で300メガワット(MW)規模の風力・太陽光発電・蓄電設備を開発し、インドが2030年までに目指す「非化石燃料による発電容量500ギガワット(GW)」の目標達成に貢献するとしている。今後も「I2U2」の枠組みで連携事例を増やす方針だ。

ムハンマド大統領は15日にはバイデン大統領が滞在するサウジアラビアのジェッダを訪問し、湾岸協力会議(GCC6カ国に加えてエジプト、イラク、ヨルダン、米国の首脳が参加する会合に出席し、中東と周辺地域の安全保障と発展について議論した。

16日には、バイデン大統領とバイの会談を実施。共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、地域の安全保障や気候変動に対するUAEの取り組みを米国が評価し、特にイスラエルとの友好関係構築へのUAEのリーダーシップを称賛したとされる。UAEは、同国にとって米国が安全保障の第1のパートナーとし、安全保障面の相互協力を確認した。また、バイデン大統領は、ムハンマド大統領を年内にホワイトハウスに招待したいとの意向も表明した。

今回のバイデン大統領の主たる訪問目的は、中東産油国に対して原油増産を働きかけるものと言われていたが、ムハンマド大統領とのバイ会談では、エネルギー安全保障の重要性には言及しつつも、増産に関する直接的な働きかけはなされなかったもようだ。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦、米国、イスラエル、インド、湾岸協力会議(GCC))

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