バイオディーゼル「B40」、路上走行試験を7月から実施
(インドネシア)
ジャカルタ発
2022年07月08日
インドネシアのエネルギー・鉱物資源省は6月28日、軽油にパーム原油(CPO)由来のバイオディーゼルなどを40%混合した「B40」の路上走行試験を7月から開始すると発表した。同試験は5カ月間実施し、約12台の車両が計5万キロを走行する予定だ(「ビスニス」6月28日)。
「B40」には、(1)軽油60%、バイオディーゼル40%、(2)軽油60%、クリーンディーゼル(注)10%、バイオディーゼル30%の2種類の構成がある。同省のダダン・クスディアナ新再生可能エネルギー・省エネルギー総局長によると、同試験用の「B40」作成のため、原料となるCPOは約5万5,000リットル必要となる。今後は、重機や鉄道、船舶でも「B40」の試験利用を行う予定だ。同試験は当初は2022年2月から実施する予定だったが、CPOの価格高騰などを理由に延期していた。
バイオ燃料の段階的な導入進める
同国では、脱炭素や石油輸入量削減のため、エネルギー・鉱物資源省令2015年第12号により、家庭や製造業など部門ごとに、バイオ燃料(バイオディーゼル、エタノール)の2025年までの段階的な導入が義務付けられている。同令に基づき、2020年1月から軽油にバイオディーゼルを30%混合した「B30」の使用義務化が世界に先駆けて実施された(エネルギー・鉱物資源省プレスリリース
)。「B30」の2022年の目標供給量は1,015万1,018キロリットルに設定されており(エネルギー・鉱物資源相決定2021年第150号
)、実際の供給量は年初から5月17日までの合計で346万4,767キロリットルとなっている(「CNBCインドネシア」5月18日)。
(注)排出される窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の量が通常のディーゼルエンジンよりも削減されたもの。
(上野渉)
(インドネシア)
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