米USTR、強制労働に関する通商戦略策定に向けパブコメ募集

(米国)

ニューヨーク発

2022年07月06日

米国通商代表部(USTR)は75日、強制労働に関する通商戦略の策定に向け、パブリックコメントを募集すると発表した。正式には76日付の官報で公示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますする。パブコメは85日まで受け付ける(注)。

バイデン政権は202112月、「人身取引に対抗するための国家行動計画」を策定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。20221月には同計画の実施で省庁間調整を担う閣僚級タスクフォースの会合を開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、USTR強制労働に対抗する通商戦略を策定すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。USTRは同戦略で、財・サービス貿易で強制労働に対処する上の優先事項のほか、既存および新たな貿易ツールの活用の行動計画などを定める予定だ。USTRのキャサリン・タイ代表は戦略策定を発表した際、「強制労働の撲滅は道徳的な要請であるだけでなく、経済的な必要性でもある。また、不公正な競争から労働者を保護し、世界の労働基準を高めることにもつながる」と指摘している。

USTRは今回の官報で、パブコメを提出する際に次の5つの質問を検討するよう促している。

  • 不公正な貿易慣行としての強制労働と闘うために、米国政府は志を同じくする貿易パートナーや同盟国と、どのような行動を追求できるか。
  • 米国政府は、貿易協定や貿易優遇措置の内容をどのように強化すれば、より大きな効果を得ることができるか。
  • 財・サービス貿易での強制労働と闘う取り組みを進めるために、米国政府はどのような新しく革新的な貿易ツールを開発・活用できるか。
  • 米国政府は、いかにして強制労働に関する通商戦略の策定プロセスを包摂的なものにできるか。
  • 財・サービス貿易のサプライチェーンにおける強制労働を監視・追跡・撲滅するための追加的な提言はあるか。

また、USTRは、パブコメ提出者が米中小企業庁(SBA)の定義する中小企業(従業員数500人未満)または中小企業を代表する団体に該当する場合には、コメント内でその事実に言及するよう求めている。

(注)連邦政府ポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ドケット番号:USTR–2022-0006)からオンラインで提出可能。

(甲斐野裕之)

(米国)

ビジネス短信 15981f0884385b58